10)外付けスクリーン
12年ほど前に設計した2棟の木の家に、ベルギー製の外付けスクリーンを付けました。
西日が厳しい窓が二階のひろまスペースにあったことや三階建ての南側の窓でした。
内部から操作できるので都合が良かったのですが、経年変化でオペレーターハンドルがきつくなる欠点がありました。
それ以来採用を見合わせていましたが、最近の計画の中で西側に面する窓の日射遮蔽が求められるときは、内部のブラインドではどうしても日射遮蔽率が低いため、やはり外付けロールスクリーンを提案します。
特に、二階の窓はバルコニーがあっても洗濯物を干したりしますと、すだれと言うわけには行きませんので重宝します。
内部からの操作は出来ませんが、引き違いの窓を開けて、スクリーンを下げてフックに引っ掛けることで留めます。
途中でもフックをつければ留めることはできます。スクリーンは交換可能です。
少し機械的なイメージですので、ヘッドボックスの上から木の幕板などでカバーすることで木の家に調和させることが出来ます。
また、一階は日本のすだれが木の家に良く似合います。
庇やバルコニーの下に取り付け用のポールを付ければ、脚立が椅子の上に載ってすだれを付けたり、外したりで季節に対応します。
付けたままでも良いですが、収納することが出来ればそのほうが長持ちします。
和風、モダンを問わずアレンジできます。
さて、最近の住宅エコポイントの普及で窓の熱損失や日射遮蔽が重要視されてきましたが、ガラスで太陽光の日射侵入を遮る遮熱性ペアガラスの採用も考えられます。
ただし、東京以北の地域では、冬場の日照は貴重です。
特に、太平洋沿岸地域は冬の晴天率が高いため、遮熱性ぺガラス(ペアガラスの外側のガラスの内側に遮熱性金属フィルムを張ったものなど)はせっかくの日向ぼっこの気持ちよさを失ってしまいます。
そこで、室内の熱を逃がし難いペアガラス(LOW-Eガラスなど)としつつ、冬の日射は取り入れて、夏の日射は外付けスクリーンやすだれで遮蔽する方式の方が合理性があります。
夏の涼しさと冬の暖かさは同時に考える事が重要であることがお分かりと思います。