8)基礎ホールダウン
木の家の耐震性能の向上のためには構造ユニットの各部を構造設計に基づいてきちんと設計施工することが大切です。
その中の「接合部」の中でも最初に確認される部分が基礎ホールダウンです。
阪神淡路大震災の被害状況から重要視され、現在ではいくつかの方法で義務付けられています。
その中で木の家づくりネットワークでは、すでに1995年から二階建て以下でも対策を講じてきました。
いくつかの方法を試みてきた中で、現在では次のような構造金具を採用しています。
基礎の角などの構造計算によって引き抜き力が大きい部分の柱を、基礎に埋め込まれた直接太さ16ミリのアンカーボルトに直接取り付けて、柱と一体化させることで大きな引抜力にも耐えうるものです。
柱の中心に30ミリの穴が開けられ、この金具が柱の中心に埋め込まれた形で柱が建てられます。
その後、横方向にクロスした4本のドリフトピンが打ち込まれることで。柱が金具から抜けないようになり、引き抜き力に対抗します。
金具を取り付け後に、栗の土台を取り付けます。
この後に柱を上から落とし込んで、ドリフトピンを打ち込みます。
こうした金具は、これまで集成材しか使うことしかできませんでしたが、一部のメーカーでは乾燥した無垢材において構造計算を行うことで使うことができるようになりました。
先日上棟した小田原の家では、この金具を13本使いました。
少しずつですが無垢材にも、耐力が実験によって確かめられた高性能な構造金具が使われることで、より無垢材の普及が進むことを期待します。