2)渋川の家を訪問しました
久しぶりに渋川の家 の住まい手の方からお電話を頂き、浄水器のフィルターのご注文を頂いたことをきっかけに、点検を兼ねて見に来てほしいとのご要望で早速伺いました。
竣工引き渡し後9年が経っていましたので、そろそろ10年目の点検のお尋ねをしようと思っていたところでした。
関越自動道の渋川伊香保インターから10分ほどの高台にあります。
9年たつとさすがに庭木も大きくなり、当初は存在感が無かったのですが、外から見ると家が隠れるほどに大きくなっていました。
外回りは木の成長に比べてほとんど変化はありません。
やはり、庇の出が大きいので雨の影響を受けにくいのが効を奏しているようです。
いぶし銀黒瓦も地震の揺れはあったものの全くビクともしていません。
勝手口の木製建具の蝶板が緩んだことから開閉に難がありましたので、ビスの打ち直しを行い問題を解消しました。
一昨年までは盛夏でもエアコンは寝室のみで、寝る前のわずかな時間しか使わなかったとのことですが、昨年はさすがに一時期ですが一階のひろまでも使ったとのことでした。
勝手口に網戸がありますので、開閉をし易くしたので今年は通風でやり過ごせれば、節電にもつながると期待してます。
東日本大震災の時は家にはいなかったそうですが、その後の余震でも家具の中の品物は倒れましたが、造り付け収納の中のものは問題なかったとのことで、造り付けのため揺れが家具ほどに大きくないようです。
一通りメンテナンスの確認の後、外部の木部の塗装の自然塗料のご注文を頂き、その後の生活などのお話に興じました。
ご主人は以前に取り組んでいた鎌倉彫を再開したそうで、鎌倉の先生の指導を受けながらコツコツ作品を作っていました。
二階のアトリエ兼来客用寝室に漆塗りの湿度調整ボックスを自作で作り、漆塗りの湿度管理を行うとのことです。
いまだに塗りはとても難しいとのことで、根気と手際良さが肝心だそうです。
一枚のホウの木から彫り込むのも根気がいると思いますが、きれいに彫られているのを見ると完成がとても楽しみになります。
二階のアトリエと一階のひろまの上の吹き抜けにかかる十字の丸太の梁もきれいにつやが出てきてアメ色に焼けることで落ち着きがあります。
さすがに自然素材の金山杉は優しさの中にも、力強さがあり見飽きません。
午前中は近くを散歩し、近隣の友人の方たちとたまにお付き合いしながら、近くの農産物直売所の新鮮で安い野菜や果物などで食事を楽しみながらのんびり木の家の生活を楽しんでいらっしゃいました。
床暖の不凍液の交換メンテや屋根周りの外部の木部の塗装などなど、次回のメンテナンスの計画を打ち合わせして失礼しました。
木の家は時間と共によい味を醸し出しますね