23)丸太の大黒通し柱が建ちました
土台が敷きこまれた上から、いよいよ柱や梁(はり)の木組みが建ち上がります。
13トンのレッカーが敷地前に設置され、まずは昨日納入された金山杉の1階の柱と1階から二階の長さの通し柱が一本ずつ建てられます。
2階の床を支える大きな梁をそれらの柱に組み込んで神社の鳥居のような木組みを造ることが最初です。
1本ずつの柱や梁が木組みに変わっていく最初の仕事です。
レッカーを操作するオペレーターと大工の息がをあわせると、スムーズに工事が進みます。
声を出すことなく、手で合図しながら高さや位置を確認しながら組み上げて行きます。
レッカーが使えるか、使えないかで上棟工事の段取りが変わってきます。
少しずつ木の家の形が分かるようになってきます。
調布の家は、敷地形状に合わせて、形が雁行(がんこう)していますので、木組みが変則的です。
また、中央に丸太の大黒通し柱があるため、どのように木組みを組んでいくかを最初からシナリオを作っておいて建てこんでいきます。
そして、いよいよ大黒柱を建てます。
レッカーで吊り上げて、奥の梁に組み込んでいきます。
丸太の大黒通し柱は傷がつかないように、ダンボールで養生(ようじょう)されています。
その通し柱の3方向から大きな梁が差し込まれます。
左の梁は梁の高さ=梁成(はりせい)が36センチある大きな梁です。
柱と梁の組み手はきっちりと加工されていますので、簡単にスーっと入るようには行きません。
きつめに造られていますので、慎重に差し込んでいきます。
両方から内臓ボルトでしっかりと締めこんでいきます。
木槌の親分のような掛け矢(かけや)を使って叩きながら組んでいきます。
途中で、施主さんの奥様とお子様が近くまで来たところ、掛け矢の音がカーン、カーンと聞こえたので、お子様が一緒にカーン、カーンと言っていましたと言われました。
掛け矢の音は、その音が聞こえる地域の邪気を祓うと言われます。
幸福の木の家になるでしょう。
二人で息を合わせ、何回も掛け矢を振り下ろしながら梁を組んでいきます。
梁が井形に組まれるころにはがっちりと木組みが安定します。
一般的な上棟工事では、工事を行いながら斜めに仮の筋交い(すじかい)で留めながら仕事をしないと、木組みが安定しないのですが、柱が4寸角(12センチ角)以上で、梁も大き目のため、組んでいくだけで大きく揺れることはありません。
木組み自体で安定しているのが、本物の日本の木の木組みです。
中央に丸太の大黒通し柱ががっちりと組まれた木組みが姿を現しました。
二階の柱も建てられ、二階の床の梁も組まれ、その上に二階の梁が乗せられて、明日から二階の梁を組んでいきます。
二階の梁も豪快です