26)屋根のセルロースファイバー外張り断熱
屋根の垂木(たるき)が取り付けられたあとは、断熱工事です。
木の家づくりネットワークでは現在、断熱材をセルロースファイバーの「ウッドファイバー」をお薦めしています。
1994年の第一棟目の木の家は、屋根は発泡ポリスチレン外張り断熱で、外壁はグラスウールした。
その後、発泡ポリエチレンによる充填断熱となり、その後はポリエステルファイバーや羊毛とポリエステルファイバーの混合断熱材などに変えてきました。
内部結露を抑えて、
湿気の吸放出性能が高く、
コストが安いこと、
大工でも施工しやすい施工性などを基本にしてきました。
その後、何とか木材の断熱性、吸放出性能を生かした断熱工法、断熱材が無いかと、建材メーカーと間伐材を活かしたセルロースファイバー断熱材ができないか検討したこともありました。
そんな中で、北海道の木の繊維が北欧の技術を移入して開発したセルロースファイバー=「ウッドファイバー」を開発当初から注目し、すでに小田原の家 から採用しています。
間伐材や廃棄する林業残材を原料とする、環境共生型の断熱材で、断熱性能の高さもさることながら、水蒸気の吸放出性能が高く、蓄熱性もあり、加工もしやすく、残材も再利用が可能で、端材は可燃物です。
調布の家でもすべてウッドファイバーです。
屋根のあぜくら板の上の防湿シートの上から、垂木と垂木の間のキツメに入れていきます。
厚さは100ミリです。
ウッドファイバーの上から、屋根通気を確保する通気用ダンボールスペーサーを入れていきます。
通気スペーサーと垂木の上から張る野地板の間が通気のための通り道です。
屋根の軒先からの空気を瓦用の棟の部分に使う換気部材まで流すことで、瓦の熱を屋根の下に伝えずに、外に逃がします。
通気スペーサーが取り付けられると、杉の野地板(のじいた)を張ります。
厚さ12ミリ、幅225ミリの幅の広い杉の赤身の腐りにくい野地板をきちんと釘止めしていきます。
一番高い棟の上は、通気層の空気の放出用のスリットです。
軒先や三角形の屋根の出寸法は設計図に基づききちんと造られています。
これから屋根の瓦葺です