28)骨太筋交い
屋根では瓦下地のルーフィングが葺き終わりましたが、下では大工が骨太筋交い(
ほねぶとすじかい)を入れています。
瓦が軽量化されたとはいえ、それでも荷重は引っ掛け桟瓦で実際は約45Kg/㎡あります。
ただし、土をほとんど使わない一般的な瓦屋根の構造計算で使用する設計荷重は65Kg/㎡としています。
安全を見ているからです。
瓦屋根の場合は、屋根の上の1m×1mの広さに人間が一人ずつ立っているイメージですね。
ガルバにウム鋼板のような板金屋根の構造計算上の設計荷重は20Kg/㎡ですので、約3倍の違いですね。
したがって、構想計算上十分に安全に配慮して設計する必要があります。
木の家づくりネットワークの構造設計は、長期優良住宅の構造等級を最低基準として、建築基準法の最低基準の1.25倍以上の構造強度としています。
かつ、できるだけ1.5倍以上になるように心掛けており、ほとんどの木の家がその基準を満足しています。
調布の家はそれだけではなく、筋交いが一般的な筋交いより一回り太い「骨太筋交い」を使っています。
一般的な筋交いの太さが45ミリ×90ミリですが、骨太筋交いは75ミリ×150ミリの太さで、断面積で2.7倍以上大きいものです。
ほぼ柱が筋交いになったと思っていただければよいです。
大工さんが骨太筋交いを加工、取り付けしています。
筋交いはこのように×型=W型に入れないと効果がありません。
筋交いの端は柱にボルトで締め付けられます。
木が乾燥で少し小さくなっても、地震時や風圧を受けて揺れたときに、きつく締め付けられる特殊なナットによって、緩みが出ないようになっています。
このような筋交いが入れられて、安心して重いかわらを葺くことができます。
雨が上がったら瓦葺です