58)あぜくら壁板を組み込みました
調布の家では大工工事の工程が後半に入ってきました。
断熱工事もも終わり、電気配線、給排水配管もほぼ見通しがつきました。
そこで、外壁の内側に入れる杉の無垢の厚板=あぜくら壁板を組み込んでいきます。
静岡の天竜杉の厚さ24ミリのあぜくら壁板は長さが4メートルもあるため、それを柱と柱の間に組み込む寸法にカットします。
杉は木の丸太の外周部の成長している部分が白く、白太(しらた)と呼ばれています。
年輪の木目が綺麗で、数寄屋建築には欠かせない木材です。
木の中心部は赤く、赤身と呼ばれ、木材の生理学的な見地で見ると、成長は止まっていますが、木を腐朽菌やシロアリなどの虫害から守る樹脂成分が豊富で、木の生命を守る重要な役割を担っています。
板にしたときに、白太だけの物と、赤身だけの物、白太と赤身が混ざった赤白があります。
白太と赤身が混ざった物は、源氏と平家の旗の色になぞらえて、「源平」と呼んだりします。
杉のあぜくら板を色によってより分けて、張る場所を決めながら、選別していきます。
写真の奥の方が赤白=源平や赤身、手前が白太というように、分けて置いてあります。
柱と柱の間隔が909ミリのため、柱の間隔より大きめにして、柱に組み込んでいきます。
さらに、板の反りをカンナで直して張っていきます。
一階の和室の部分は白太の板で張り上げました。
玄関の脇の壁も白太です。
二階のクローゼットは源平の赤身の強い板でまとめました。
階段は白太と赤身が少し混ざっています。
このように外壁があぜくら壁板で張られてくると、まさに新・あぜくらの家のイメージがはっきり出来てきました。
木のパオの様な家が登場です