46)無垢の杉の階段取り付け
床、天井、壁、家具と進むにつれて、一階から二階への階段が加工され、取り付けられます。
階段は床と壁に付けられますので、床が出来ていないと作りにくいです。
先に階段をかけて、後から床を張ったこともありますが、基本は床先行です。
金山杉の階段です。
一般的には階段は昇降による磨耗や傷を防ぐために硬い松や桧を使っていましたが、今ではほとんどが松や広葉樹の集成材です。
杉の中でも年輪が密で粘り強い金山杉は、階段材として使っても遜色ありません。
むしろ、若干柔らかい感触が、靴を履かずに生活する日本人には膝に柔らかく、負担が無いところが住む人に優しい面もあります。
多少の傷は、家の歴史としてみれば気になりません。
赤身と白太の色と木目が綺麗な階段板を墨付けします。
薄く階段の形が書いてありますね。
階段の段数や勾配は図面に書いてありますが、細かい寸法は大工さんと打ち合わせして決めます。
丸鋸で筋目を入れて、ノミで溝を掘り込んでいきます。
階段の足が乗る段板と正面の蹴込み板(けこみいた)は厚さがが違います。
両側に段板を受ける側板(がわいた)を取り付け、裏側から段板を入れ込んでいきます。
きっちり組み込まれていますね。
蹴込み板も入れ込まれます。
一階から回り階段までが出来ました。
回り階段の柱に差し込まれる部分です。
がっちりと綺麗に組み込まれていますね。
回り階段の段板は45度の三角形になります。
杉の赤白と木目が綺麗に組み合わされました。
最初はコントラストが綺麗に見えますが、歳を経るごとに全体があめ色になり、存在感が増していきます。
工事が終わると汚れないように養生されてしまいますので、今度のお披露目は塗装のときまでお預けです。
今はほとんどがプレカットされた集成材の階段ですが、無垢の杉の階段は床のタモと共に豊かな表情を木の家にもたらしてくれますね。
金山杉の無垢の階段は柔らかい