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47)石灰モルタルの塗り壁仕上げ

外壁の左官仕上げが始まりました。

モルタルを二回塗った後から仕上げで塗るのは石灰モルタルです。

石灰モルタルは駒形石灰工業が開発した左官仕上げ材で、消石灰とモルタル、顔料を混合して作られています。

消石灰は漆喰の原料でもあり、そこに海草由来の角又糊(つのまたのり)や藁すさなどを粘着材として混入したものが漆喰です。

駒形石灰工業の消石灰は、石灰岩を焼くときに重油を使わずに、土中釜で焼く伝統的な製法を今でも守り、消石灰の粒子が細かくなりすぎないことで、調湿性能が高い性能を持っています。


消石灰はそのアルカリ性の高さやカルシウム成分、白さから、農業用の酸性土壌の改良材や運動会の白線の方が一般的かもしれません。

消石灰は石灰岩に由来する炭酸カルシウム(CaCO3)が主原料であり、石灰岩を高温で焼くと生石灰(きせっかい・CaO)になります。

さらに生石灰を水と反応させたものが消石灰(Ca(OH)2)です。
 

酸性土壌の多いわが国では、重要な土壌改良剤です。

その消石灰に外壁に塗るための耐久性を高めるためなモルタルを混合して、色をつけるための顔料を調合したものが石灰モルタルです。

石灰モルタルだけでは塗った後は平滑になりますので、表面に細かい凹凸を付けて、表情を豊かにするために、白い細かい石の粒(直径2ミリほど)=白竜砕石を混ぜて、下地への接着性を高めるプライマーを混入して塗ります。


左官用ミキサーにすべてを入れてよく攪拌します。

水を入れているため、乾いた後の色よりも濃く見えます。


バケツで運び、コテ板に載せて、コテで塗っていきます。


わざと模様を付けて塗るパターン付けもありますが、自然にコテ跡が残るように仕上げていきます。


左官壁は途中で仕事を切ると、その境で仕上がりが変わってしまいますので、左から右へ一気に仕上げます。

消石灰は塗り終わると空気中の二酸化炭素と化合して石灰岩に戻りますが(気硬性)、モルタルは水と化合して硬化する水硬性で、両方の特質を持った自然の壁仕上げです。

昼食や休憩も塗り始めたあとは、途中で休めません。

体力と器用さ、気合と細やかな神経が必要です。

携帯電話にも出られません