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9)Q値計算

住宅エコポイントの申請を確認申請と同時に行うことが多いと思いますが、その場合

仕様規定で確認する方法と性能計算で申請する方法があります。

 

仕様規定では床、壁、屋根又は天井の住宅の各部位の断熱材の種類と断熱性能と厚さを規定して申請します。

 

ただし、そのときに一番問題になることのひとつに屋根・天井断熱の厚さが確保できないことです。

 

二階の天井を水平にして、その天井に布団を敷くように断熱材を敷き込むことで良しとすればよいのですが、天井裏にきれいに断熱することを図面では書くことができても、実際の施工ではそのように旨くいきません。

 

施工に立ち会って、きちんと出来るかを確認すればよいのではないかと言われるかもしれませんが、立ち会ってできるのであれば簡単ですが、だれがやっても実際は隙間ができて断熱性能のほか場合によっては気密性能も確保できません。

 

セルロース断熱材などのブローイング工法があるといわれるのですが、コストがかかります。

 

そのために、屋根断熱工法を取り入れるのですが、屋根断熱はロフトが自由に設計できるメリットがあるのですが、屋根の垂木部材の厚さ以上に断熱材を入れることが物理的に限界があります。

 

垂木部材の高さを15センチ以上にすることと、通気層を確保するにはさらに大きい部材が必要で、施工上、構造安定性からあまりお薦めできません。

 

そこで、窓の断熱性能を考慮して屋根断熱材の厚さを低減するトレードオフという手法を使うのですが、窓のガラスとサッシの断熱性能をかなりあげる必要になり、コストがかさみます。

 

そんなわけで、家全体の断熱性能を計算するQ値計算を行って、実際の家の断熱性能を計算しました。

 

関東地域のⅣ地域に求められる2.7以下の熱損失係数を2.68とクリアできました。

 

これで、サッシガラスのグレードアップによる40万円ほどの費用が必要なくなりました。

 

仕様規定よりも計算式による方法の合理性が確認できました。