20)遮熱型ガルバニウム鋼板屋根
ルーフィングの後は屋根材を葺きます。
北浦和の家は屋根材はガルバニウム鋼板です。
厚さ0.35ミリのガルバニウム鋼板のカラーサンプルから、施主さんと共に瓦の色に近い「いぶし銀黒色」に決めました。
以前はメーカーから購入した巾1メートルのコイル状の原板を、問屋加工場でアザ折り加工して、現場の運び施工していました。
最近は、メーカー問屋工場で規格を統一した屋根材が細かい部品=役物(やくもの)と共にカタログ販売されていますので、それを採用しています。
メリットは工場で加工して搬送されるため、問屋加工場で加工するより品質管理が良く、傷や曲がりが少なく、耐久性が向上するためです。
気をつける点は、形が決まっているため、屋根の長さや形を決めるときに規格の巾や長さを元に設計することが必要です。
適当に決めると、現場で納まりが悪くなり、美観が悪くなったり、雨漏りが発生するリスクがあります。
また、斜線制限などの規制との兼ね合いも細かくシミュレーションしないと難しいため、設計段階でのミリ単位の検討が必要です。
細かい専用部品を使いますので、細部も綺麗です。
横方向に細かく折込を付けているので強度も向上しています。
中央の棟の部分は天気を見て施工します。
屋根材は切れていますが下のルーフィングはまだ切れていません。
施工時に切って隙間をあけて、換気部品を付けて棟押さえを取り付けて完了です。
下から見ると杉の野地板(のじいた)の一番上にルーフィングの裏側が見えますね。
ここを切って、野地板の下の、断熱材の上の通気層からの空気が出て行けるようにします。
屋根換気です。
湿気や屋根の暑さから木の家を、住まい手を守ります。
さて、このようなガルバニウム鋼板は遮熱対応型が標準的になってきています。
ガルバニウム鋼板は耐久性が高く、屋根材の荷重も小さいことから採用が増えていますが、夏の暑さ対策は必要です。
遮熱型の鋼板を利用することと、屋根通気を取ること、天井断熱でなく屋根断熱工法とすること、屋根断熱性能を高めることで快適な環境が作れます。
更に予算が許せば遮熱シートを屋根材の下に敷くのもよいでしょう。
木の家の基本的構造である
基礎
木組み
屋根
を強く、しっかりと造ることが基本です。
暑くない、美しい屋根を造ろう