14)基礎コンクリート品質と放射性物質
コンクリートや木材の放射性物質の問題点が指摘されました。
基礎の限らず、RC造に使うコンクリートに含まれる骨材(こつざい)という小さな石や砂、セメントの中の下水道汚泥再生物に含まれる放射性物質の確認が求められています。
木の家の基礎コンクリートについては、コンクリート製造建材店から取り寄せるコンクリート配合表という書類で事前にチェックします。
骨材の産地や強度、水分量を規定する水セメント比などを確認して、問題が無ければ発注します。
一番上の設計強度は30N/mm、普通の場合は24以上でよいので、とても強度が高い設定であることがわかります。
これは、一番下の水セメント比が50%以下としていることが要因です。
コンクリートの水分量を50%以下にすることで、コンクリートのセメント量を多くして、中性化進行速度を遅くして鉄筋を錆から守り、強度も高めることから24以上になっています。
一番上の右のスランプはコンクリートの柔らかさを示します。
コンクリートに水を多く含んだ「シャブコン」の問題が指摘されますが、現場で早く打ち込むために水を多くして流動性を高めることがコンクリートの品質を低くします。
セメント量が多くなると硬いコンクリートになり、硬すぎるとコンクリートの中に空気が残り易く、気泡=ジャンカができて、強度を低くします。
そこで、適正な流動化剤を入れて少し柔らかくします。
スランプ値の目標が18センチになります。
富士山のような形のカップにコンクリートを入れて、逆に地面において、カップを抜き取った後にどの程度低くなるかの数値です。
大きいほど柔らかいコンクリートであることがわかります。
更に、中央の骨材、砂の産地認証です。
栃木県佐野市の骨材、千葉県印旛郡の砂です。
まったく今回の原発事故の影響が無いとはいえませんが、これまでの放射性物質の濃度から検討すると産地上は問題ないと思われます。
以上の確認をして正式発注です。
そして、コンクリート打ちです。
コンクリート製造工場や現場でコンクリートを採取して試験します。
左が一週間後と4週間後の圧縮破壊試験用のテストピースの6個のサンプルです。
塩素量を測るカンタブという試験棒が刺さっています。
中央は空気量を測る機器です。
右端がスランプの測定です。
これが一週間後の強度試験結果です。
予想通り既に一週間で平均30Nになっています。
OKです。
上棟工事のゴーサインが正式に確認できました。
これが、カンタブ測定による塩素量の結果です。
すべて0.3以下の0.04以下になっていますのでOKです。
このような確認をしながら施工管理、工事監理していきますが、何と言っても、早めにコンクリート素材の放射性物質の測定基準を業界団体で決めて、迅速に公表すべき段階です。
木材でも同様な対策が早急に求められます。
安全、安心は確認、管理から