82)竹のロール和紙の表具壁
建具のロール和紙張りとあわせて、壁の和紙張りです。
建具は大きくても畳一枚ぐらいですので、二枚の和紙をつないで貼ることはそう多くはありません。
しかし壁の場合は一面の壁を張るときにはどうしても継ぎ手(ジョイント部分)が生じます。
また、真壁造りですと、壁の柱や梁との際は更にかっと部分が増えます。
さらに。ロール和紙はビニールクロスに比べて糊が浸み込んでいくため、余り長い間糊をつけたままにできません。
したがって、一気に糊をつけて、まとめておいて、一気に張り込んでいくことができません。
そこで、こまめに糊をつけて、こまめに貼っていくことが必要で、ビニールクロスしか張ったことがないクロス屋さんはなかなか難しいです。
日本の伝統的和紙表具(わしひょうぐ)ができる人でなければ、仕事がうまく仕上がらないことになります。
木の家づくりネットワークはビニールクロスは使っていませんので、表具師といわれる和紙表具ができる職人さんに頼んでいます。
糊付けした和紙を張ります。
柱や梁、階段の側桁(がわけた)の際を、ヘラとカッターで切ります。
継ぎ手の部分は張らずに浮かしておきます。
左端に赤いビニールフィルムのテープを貼っておきます。
左側の和紙を張っていきます。
同様に際をカットしていきます。
あらかじめ、左側の和紙の右側の継ぎ手部分の裏側にビニールのテープを張っておきます。
色はついていませんので、右側のテープと識別が付きます。
両方の和紙を重ねておき、上からカッターで綺麗にカットしていきます。
重ね切りです。
先ほどのテープがあるので壁には張り付きません。
テープをはがして、カットした部分が綺麗に突きつけられるように張ります。
同時に左側のテープもはがして、綺麗にあわせます。
そして、ローラーでしっかりと押さえて、周りの糊を綺麗にふき取って出来上がりです。
和紙の穏やかな表情が綺麗です