67)杉の階段です
ほとんどの階段は建材の集成材を使ったものです。
昔は松を多く使いましたが、徐々に松の材料が手に入らなくなり、その後アメリカの松や東南アジアンの南洋材になり、現在は集成材になりました。
上がったり、下がったりで苛酷な環境になる床材ですから、普通は硬いほうが良いと思われています。
実際に長く使っていますと、物を落としたり、角が欠けたり、確かに傷が付きやすいところでもあります。
しかし、日本人は靴を脱いで生活していますので、階段の上がり下がりの足への力が直接掛かるため、硬い階段ですと膝に負担がかかることがあります。
そこで、杉の階段をお薦めしています。
傷が付きやすい欠点はありますが、膝にやわらかく、万が一足を踏み外しても怪我の程度を小さくすることができます。
多少、傷が付いても、サンドペーパーで磨いて、自然塗料などで塗装するなど、住まい手のメンテナンスでも対応できます。
建材階段ですと、すでに工場で加工されており、そのまま組み立てればよいのですが、無垢の杉板からですと、大工が加工の下図を杉板に書き込んで加工するなど手間が掛かります。
その分出来上がると、一つの作品になります。
杉板も樹齢100年を超える金山杉の逸品です。
階段も手造りです