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10)へーべシーべという木製サッシ

日本のサッシはアルミサッシが主流ですが
アルミサッシが開発される前は
街中の木製建具屋さんが作る木製建具(たてぐ)が
主流でした。

現在では外部に建具屋さんが作る木製建具を見ることは
少なくなりましたが、たまに木製のサッシを見受けます。

木の家づくりネットワークの木の家では
メーカー、工房が作る木製サッシもたまに採用します。

断熱性や木の外観、インテリアなどとのデザインの
相性がいいため検討されます。

日本に海外の木製サッシが輸入された時期には
日本の引き戸のような引き違い窓はありませんでした。

ほとんどが、腰から上の高さの窓で
引き違いに近いものとして、片方がFIX窓で
片方のサッシだけが動くものでした。

確かに、両方動く必要が無く、出入りのための
片方飲み動くことでも十分だという合理的な考えが
あったようです。

しかし、日本では両方動かないと窓ではないという
感覚があり、普及しませんでした。

そこで、ドイツの窓金物メーカーは「へーべシーベ」という
金物を窓につけることで、両方の窓がスライドしやすい
引き違い窓を開発しました。


これは、和室の窓にへーべシーベの木製サッシを
つけて、外側に雪見障子をつけたものです。

木製サッシのガラスはペアガラスを用いて断熱性を
高めることが多く。木の枠とあわせた荷重が大きくなります。

そこで、ハンドルを180度回転させると、戸車が
上がったり、下がったりするへーべシーベ窓とします。

戸車が下がると、レールの上をスムーズに動き
上がると、サッシ自体がレールに乗っかることで
機密性が高まり、動きにくくなります。
防犯性も上がります。

こうした窓金物=ハードウェアの開発で
日本の引き違い窓が、断熱性、防犯性、デザイン性
防火性、気密性、遮音性などの様々な性能を
向上させて現代の引き戸として蘇りました。

国内の地域のメーカー、工房が製作しています。

価格的には高価ですが、長い目で見れば
木の家の生活価値を高める窓として
検討可能となるでしょう。

木製サッシの窓の種類は木製サッシ工業会のHPを
参照して下さい。

日本木製サッシ工業会