50)桜フローリング張りのテクニック
二階の床の桜フローリング張りがいよいよ最後の詰めです。
何も無い部屋の真ん中を張り込んでいくのは比較的速くできます。
あらかじめフローリングの色と柄を見て、なるべくそろうように選択した後、下地の根太いあわせて長さを決めて置いておき、順次張っていきます。
しかし、柱のところに来るとスピードが落ちます。
出来上がったときに柱や梁の木組みが見える「真壁造り」のため、柱や壁の際が見えるため、木組みが見えなくなってしまうほとんどの家の「大壁造り」のように、隙間があても隠れる訳ではありません。
そこで、柱をフローリングの厚みの分かきとって、差し込んで行きます。
特に丸太の柱は大変です。
丸太の柱をかき込んで、その丸の大きさにあわせてフローリングを加工して挟み込んでいきます。
鉛筆とさしがねで墨付けです。
鋸で加工です。
ノミで形を整えます。
そして、最後は壁際の張り込みです。
壁際も見えてきますので、柱をかき込んで、最後の一枚を先に張ってから、二枚目を後から入れて、最後の壁際の板を戻します。
壁際の板を入れ込んでいます。
これは、二枚目の板を壁際の板と三枚目の板の間に入れるために、当て木を介して、大きな木槌で打ち込んで組み込んでいるところです。
棟梁の登場です。
見事に、正確に、力強く木槌を打ち下ろします
柱の隙間を大きくすれば簡単に入りますが、それでは見た目が美しくありません。
ぎりぎりの加工ですので、取り付けもテクニックが必要です。
やっと入りました。
バールという大き目のくぎ抜きで、壁際の板を戻します。
最後のフローリングを専用のフィニッシュ釘で止めて終了です。
本当の木組みの家は手間が掛かります。
それを楽しくこなせる大工がいて初めて可能な家造りです。
木の家づくりは大工が主人公です