34)クリ土台のアク
屋根が葺かれ、雨をしのげるようになりました。
それでも、まだ外壁やサッシが付いていませんので、強い雨が降るとどうしても中に吹き込んできます。
特に一階の足下周りは、屋根からの雨が風にあおられて巻き込むように当たります。
天気になればすぐ乾きますので問題ありませんが、基礎に茶色いシミが出来ます
施主さんが初めてそれを見ると、土台が雨で浸食されたと思い不安になる方もいます。
実は、クリの土台のタンニンが雨で流されて、基礎のアルカリ成分に反応して色が濃くなったものです。
何か、基礎コンクリートの鉄筋が錆びてしまったかの様に見えますね。
これは土台にクリを使うときに良く見られる現象です。
このアクが濃い色であるほど、クリのタンニンの成分が多いことになります。
クリは美味しい実が食べられないように、皮の内側に毛羽だった渋皮があります。
この渋皮に含まれるものの主な成分がタンニンです。
子供の時にクリの実を拾って直ぐかじって、渋いと感じたことがある方もいるかと思いますが、その渋みがタンニンです。
このタンニンはクリの木にもあるようで、そのためにクリの木は虫害に強く、腐りにくいと言われています。
確かに、土台を敷くときに、キリで穴を開けるとプーンとクリの渋みの香りがします。
見た目はきれいではありませんが、腐りにくい、虫に強い土台の証です。
これから、外壁を造っていくことで雨が入らなくなると、このシミも大きくなりません。
見た目だけでは判断できませんね