30)横になった筋交い
木の家を地震や風の揺れから守る筋交い(すじかい)は壁の中にバツ=×の形で入れるのが基本です。
右から揺さぶられても、左から揺さぶられても、両方に突っ張りをカマス(=⌒▽⌒=)ようにするためで、突っ張り棒を両方に入れるのがよいわけですね。
その筋交いが横になった物があります。
それを「火打ち梁」(ひうちばり)と言います。
なぜ火打ちと呼ぶかは分かりませんが。
これは、バルコニーの床下に付けられた火打ち梁です。
三角形になるように斜めに梁が入っていますね。
隣の物と交互になるように入れてあります。
これが、床に、横になった筋交いです。
普通の家では、ほとんどが床のフローリングの下に、構造用合板を下地に釘止めしています。
その合板が梁や下地材と釘で一体となることで、地震や風の揺れで、横に揺さぶられたときに、合板が突っ張って揺れに対抗します。
調布の家では合板を使っていませんので、その代わりに昔ながらの火打ち梁を、交互にバルコニーの床に入れて、ボルトでしっかりと止めているのです。
バルコニーが下に柱がなく、家から飛び出すように付いているので、横に揺れないようにがっちり固めていないと、防水が切れて水漏れの原因になるからです。
筋交いは壁だけでなく、床にも入っていると思っていただいて宜しいと思います。
因みに、バルコニーの手すりに付いている斜めの木材は、バルコニーが下がらないように柱から吊っている、「吊りほうづえ」です。
斜めの木材も重要です