25)あぜくら屋根板が葺き上がりました
棟が上がった後は屋根の仕事です。
木の家づくりネットワークの一般的な木の家の造り方である「新・木組みの家」の場合は、棟木や母屋と言う屋根を支える梁の上から、垂木(たるき)という小さめの下地材をすぐに取り付けます。
調布の家は「新・あぜくら家」という、木の家全体を杉の厚さ3センチのあぜくら板で包み込む木のパオの様な造り方です。
そこで、最初に屋根のあぜくら板を取り付けます。
板は凹凸の加工がされている縁甲板(えんこういた)と呼ばれる物で、厚さが3センチあります。
屋根の瓦を葺くために、軒先ので寸法を設計上で決めて、その通りに施工します。
一枚一枚貼っていきますので、一枚で0.5ミリずれても、50枚あると2.5センチずれますのできっちりと貼っていきます。
だいぶ貼られて来ました。
それぞれの大工が、お互いに相互の仕事を読み込みながら、先を読んで連携していきます。
誰かが指示をするでもなく、お互いに腕と経験の違いを見極め、自分の仕事をしていきます。
ほぼ、きれいに張り込まれました。
設計上決められた釘を所定の間隔と数量で打ち込んでいきます。
仮止めとしてビスも使います。
釘止めを行いながら、軒先では丸鋸(まるのこぎり)を使いながら、軒先を設計上の寸法に合わせて落としていきます。
屋根のあぜくら板の上から、今度は防湿シートを貼っていきます。
これは、屋根の下の室内空間からの湿気=水蒸気があぜくら板を通過してその上の断熱材に浸入して結露することを防ぐ目的で敷き込みます。
防湿シートの継ぎ目の重ね代を十分に確保して、防湿テープできちんと貼り留めて行きます。
地下足袋を履いているので滑り難くなっていますが、そこはしっかりとした匠大工のことですから心配はいりませんが、コツがあり、素人さんは不可能です。
今度は、その上からやっと先ほどの垂木(たるき)を取り付けます。
これも、普通の釘は補助的に使うだけで、構造計算に使うことが出来る、構造耐力が実験で確認された長いビスで、垂木からあぜくら板、さらにその下の母屋、棟木まで貫通するようにしっかりと取り付けます。
長さをそろえて、きちんと間隔をそろえながら取り付けます。
防湿シートの下のあぜくら屋根板には、あらかじめ墨壺(すみつぼ)でマーキングをしてあります。
防湿シートが透明ですので見ることが出来ます。
この状態であれば、雨が降っても心配ありません。
屋根あぜくら板が張られましたので、家の形がほぼ決まりました。
道路に向かって、三角お屋根ができあがりです。
夕焼けに照らされて、杉の赤みがさらに赤みを増しています。
杉の赤みは腐りにくく、シロアリも食べません。
下ではスタッフが上棟式の準備をしています。
いよいよ上棟式の始まりです