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9)本物の木の家で長期優良住宅ー2

3、耐震性ーその1


長期優良住宅の中でももっとも注意を払う性能が耐震性です。


規模の大きい建築物ではコンピューターの解析能力が高くなったことで、耐震性の確認が格段に飛躍しています。


地震が起きたときにどのように建物が揺れるかといった動的解析が進んでおり、グラフィック画像でシミュレーションが出来ますので、高精度な設計が可能となっています。


一方、木造住宅の構造設計は、長い間大工棟梁の経験と勘で、個人の知的財産として継承されてきていますので、第三者的にその内容を知ることができない時代が長く続いてきました。


それが、地域コミュニティの中で100年単位で継承され、大きな時代の波にさらされなければ良かったかもしれません。


しかし、戦争による大量破壊と大量建設、都市化による西洋文化、技術の流入と過密化により、伝統的な住宅の作り方では対応できなくなりました。


その後の建築基準法などでは、筋交いがどのくらい入っているか、地震が来たときに木の家が倒れないように柱を基礎につなぎ止めるボルトを入れたり、地震の力が旨く地面に戻すことが出来ずに倒壊することを防ぐために床を固くしたりと、新しいことを足し算してきました。


しかし、どうしても付け焼き刃的な改良に感じていましたので、木の家づくりネットワークでは大きなビル建築でも採用されている「許容応力度計算」による本格的構造計算を木の家のすべてに採用しています。


長期優良住宅の設計技術審査においても、構造計算書を添付して適合しました。


木の家散歩


その構造計算によりますと、非常に安定した構造であることが分析、計算、確認されました。


地震時に家が揺れた時に、水平方向に動く大きさ=揺れる長さを分子として、家の各階の高さを分母として、何分の一になっているかを「層間変形角」(そうかんへんけいかく)といいます。


分母が大きい方が地震に強いといえます。


満足しなくてはいけない数字が1/40ですが、一般的な家では1階分の横揺れによって動く水平距離が6センチほどです。


二階よりも一階が揺れの数値が大きいです。


調布の家は一階のもっとも揺れが大きい階でも、約2センチ弱です。


つまり、1/130以下と言うことです。


認定基準よりも3倍性能が良いです。


阪神淡路大震災の時は悪者扱いされた瓦葺きの屋根でも、きちんとした解析と設計、施工を行うことで、高い耐震性を得ることが出来ます。


結果として、この数値が守れる構造体をこれからきちんと造ることが私どもに課せられたミッションです。


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