9)ロフト収納
木の家の収納の中でも、木の家の特性を活かした収納が「ロフト収納」です。
日本の木の家は柱や梁などの木組みで出来ていますので、屋根裏の部分がドンガラ(何もない抜けている)に出来ます。
そのドンガラの屋根裏をどのように利用するかが大きなポイントになります。
昔の農家はその屋根裏からいろりの煙を出す煙突の役割を持たせていました。
京都の町家では、通り抜けの土間の上に煙出し(けむだし)と天窓を設けていたりしますね。
現代の木の家は、その屋根裏を天井を打ち上げて伸びやかな空間にしたり、収納にしたりしています。
これは東小金井の家の二階の個室のロフトベッドです。
何もなければ6畳のただの部屋ですが、押入や本棚を設け、その上をロフトベッドにしました。
梯子で上がり降りをしますが、さほど高くないので不便はないです。
ただし、ロフトの床と天井との間は最高でも1.4Mまでしか確保できないことが、建築基準法で決められています。
三階建てになるのをよしとすれば良いのですが、確認申請上構造計算が必要になります。
以前は断熱性を確保するのが難しかったことも有りましたが、今は技術的にクリヤできます。
これは、まさに男の隠れ家的ロフトです。
少し頭を下げて移動することになりますが、ちょっとした書斎になります。
木組みの家の特性はまさに屋根裏の使い方、見せ方にあると言っても過言ではありません。
それは、日本の木の家が平屋中心であったときに、小さな森のような屋根裏の木組みに覆われて住んでいた「シェルターの木の家」を現代の木の家として新しく提案すくことでもあります。
シェルターの木の家は家族の心のシェルターでもあります