66)ロール和紙の表具工事と小田原城の桜
内装仕上げの最終段階に入りました。
左官の漆喰に続いて、比較的ローコストで実現できる自然素材の仕上げであるロール和紙の表具工事を行いました。
大工が施工した石膏ボードの下地に対して、ボードとボードの継ぎ手部分やビスの頭をパテを塗り込めることで全体の凹凸がなくなるように下地処理します。
パテが乾燥した後に、パテのザラザラした部分をペーパーヤスリをかけてさらに下地調整を行います。
パテ処理した後の壁面はいたずら書きをしたように見えてキレイではありませんが、これをきちんとしていないと仕上がりがきれいになりません。
張る部分の寸法を測って、その長さにロール和紙を裁断してまとめておきます。
糊付け機に幅約1メートルのロール和紙を巻き込みながら、糊のついたロール和紙を何枚か用意します。
ビニールクロスは水を吸わないので糊が乾かないようにしておけば半日でも糊のついたままで置いていても構いませんが、ロール和紙は30分が限界です。
手際よく少しずつ糊付けして少しずつ貼っていきますので、効率は少し落ちますがそれが呼吸する自然素材の特徴でもあります。
しわが寄らないように気をつけて張っていきます。
大きな刷毛を使ったり、ヘラを使ったりして伸ばしていきながら圧着していきます。
空気の膨らみがないように注意します。
際を大きなヘラで押さえながらカッターでカットしていきます。
小田原の家では、高知県の和紙と熊本県の和紙を張りました。
木材、漆喰に次ぐ呼吸する自然素材の内装です。
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現場の近くの小田原城は桜が満開です。
被災地の復旧と復興、原発の安定化を桜に祈りました。
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