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3)基礎コンクリート配合計画書

木の家を長持ちさせるためには木組みや床、壁、屋根を水分や湿気から守ることが重要ですが、その木組みを支える基礎の耐久性も同様に大切です。

 

その基礎の耐久性を左右するのがまさに基礎コンクリートです。

 

基礎コンクリートは現場でコンクリートを打設する前に、基礎施工業者からコンクリート製造プラント会社にどのような品質、性能のコンクリートを製造するかを指示します。

 

その前に設計、見積の段階で基礎工事業者に指示しておくわけですが、その内容の通りコンクリートが製造されているかどうかを確認する資料が「コンクリート配合報告書」です。

 

その報告書に記入される内容をコンクリート製造プラントにて試験します。

木の家散歩

コンクリートの出荷時又は現場において、コンクリート技士の立会いの下にコンクリートの試験とサンプルを作成します。

右端の6個のコンクリートを円柱状の入れ物に入れたものは、一週間後と四週間後に強度試験を行なうサンプルピースです。

 

その左側の3個に刺さっている小さな試験紙がコンクリート中の塩化物の量を測るものです。リトマス試験紙のように色で塩化物の量が測定できます。

 

中央にあるのがスランプ測定です。黒板の前にあるメガホンのようなものにコンクリートを入れて、反対にして板の上において抜き取るとコンクリートがどのくらい下がるかで柔らかさを測定します。

 

そして、一番左にある炊飯器にメーターがついたようなものはコンクリートに含まれる空気量を測るものです。

 

このような試験、サンプリリングを行い、その結果によって工事の進行の是非の確認を行なうことが良質な基礎コンクリートを作るためのチェックです。

木の家散歩

この表から、コンクリートの設計強度が30ニュートン/mm2(24ニュートン以上)、スランプが18センチ(OK)、空気量が4.5%(3~6の間ならOK)、そして重要な水セメント比が46%(赤い↑部分)という50%以下のデータです。

 

設計監理上、適正な結果であることが確認できました。

木の家散歩

先ほどの塩化物含有量の測定結果もカンタブという商品の試験紙が証拠として添付されています。

平均で0、056KG/M3という数値で、0、3以下ですのでまったく問題ない結果です。

 

このようにコンクリートの塩化物や水分、空気を規定の数値以下に抑えた製品を使うことが、長期にわたって空気中や雨水などの酸性成分に反応して、コンクリートが中性して強度の低下を招くことをなるべく遅くすることができます。

 

耐久性は縁の下の力持ちの基礎から確認しましょう。