25)あぜくら屋根板が貼られましたー上棟5日目
1階と2階の室内空間を四角いセルフレームで囲うように木組みが出来ました。
これから屋根に取り掛かろうと言うところですが、夜半からの低気圧の通過に伴う雨が残り、匠大工たちはとりあえず車内で待機です。
午前10時近くになり雨も上がり、抜けるような青空と強い海風の中で仕事が再開できました。
まずは、屋根の木組み=小屋組みを組んで、下の木組みと一体化させるパワージョイントの締め込みです。
木の家の三角形の切妻屋根の形がくっきりと登り針によって形作られます。
屋根の木組み=小屋組みの完成です。
その上に厚さ30ミリのあぜくら板の屋根板が貼られていきます。
まるで木の船の底を逆さまにしたように見えます。
杉の赤味が強い、木の中心に近い部分のあぜくら板です。
低気圧一過で風が強く、金山匠大工の長倉さん達も風にあおられないように注意しながら一枚一枚貼っていきます。
板の側面が凹凸状=本実(ほんざね)になっていますので、その凸状の部分の根っこに釘を打ちながら止めていきます。
その上で、あぜくら板の上から丸い小さなくぼみ=座堀りをつくり、そこにタルキックという引き抜き強度が実験で確認されている大きなビスで、上から下の小屋組みの梁=母屋(もや)や棟木(むなぎ)、軒面梁に留めつけていきます。
こうすることで、屋根のあぜくら板と小屋組みの一体性=構造設計で言うところの剛性が高い屋根面が出来上がります。
一階の土台から、一階の柱、二階の床梁、二階の柱、二階の軒面梁、小屋組み、屋根面と段階的に、一体化されることで一つの木の家としてまとまった木組みが出来上がります。
これが、住む人の命を守る木組みのそのままの姿です。
このあぜくら板の下側がそのまま二階の天井になり、断熱性、調湿性、気密性、デザイン性、構造強度を兼ね備える無垢の金山杉です。
この後、この上に垂木(たるき)と言う屋根材の下地を支える木材が取り付けられ、防湿フィルムを敷いた上で、ウッドファイバー断熱材=木の繊維を敷きこんで、その上から蓋をするように屋根野地板を留めると屋根下地が完成です。
今日は残りの工事の後に、金山匠棟梁の下、上棟式、餅撒きが行われます。
もう一息、金山匠大工と仕上げ大工のチームワークで仕上げていきます。