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1)水分から木を守る

木の家の耐久性を高めるためには水分、湿気から木を守ることにあります。

 

最近、温暖化のせいかシロアリの被害をよく耳にします。

 

それも、適度な温度と湿度・水分、食害にに弱い=シロアリが好む樹種などが条件として挙げられますが、その中でも水の影響は大きいものがあります。

 

腐朽菌の繁殖も水分が必要です。

 

その水分からいかに木を守るかがポイントです。

 

その水分はどのように木にかかわるかですが、木の家づくりの工程から、造り方、メンテナンスにわたって様々なリスクがあります。

 

そのリスクの一つ一つを避けていきながら木の家づくりとメンテナンスを行うことが、長持ちする、資産価値を保つ木の家につながります。

 

 

まず、第一に木材の加工前の段階での製材品の水分管理です。

 

具体的には木材の構造材の含水率を少なくとも40%以下に製材品を使うことです。

 

それ以上の含水率の木材を加工して、完成後に段階的に乾燥することで、建具の建付けなどの不具合はもちろんですが、木材に含まれた水分が躯体内部に広がることで腐朽菌やシロアリの好む環境を作ることになるからです。

 

柱や梁が室内に現される真壁作りの場合は乾燥が進みやすいため、まだ良いのですが、大壁造りの場合は木材が壁や天井の中に閉じ込められるため内部で腐朽菌が発生しやすくなります。

 

木材の水分管理は耐久性にかかわるだけでなく、建築後に乾燥することで、木組みの水平方向の木材と木材のジョイント部分の継ぎ手や直角にジョイントされる仕口と呼ぶ接合部分に隙間ができることで強度、耐震性に影響することもあります。

 

そこで、よく乾燥された集成材を使えばよいという議論がありますが、その前にきちんとした乾燥木材を使うということが木の家の基本にしたいですね。

 

昔の木の家は、製材してからすぐに使わずに丸太のまま乾燥させる余裕がありました。

 

また、現在でも上棟式が終わって屋根を葺いて、壁を作ったところで半年ほどそのままにして乾燥させてから仕上げ工事を行ったことがありました。

 

ほとんどの木の家はそのような余裕はありませんので、まずは乾燥木材の利用が基本です。