12)ブロック積み
小田原城の近くということもあって、以前のブロック塀の下から間知石の石積みが出てきましたが、その石を除去しながら新たなブロック積みを行いました。
石積みの勘所とは違って、ブロック塀は工業製品の規格に応じて水平、垂直を一つずつ確認しながらの作業です。
ブロックを積む下を根伐り=掘り込んで、砕石を敷き詰めて充分に転圧します。
その上に、ワイヤーメッシュという直径6ミリの丸型鉄筋が格子状に溶接された鉄筋を敷きながらブロックの基礎コンクリートを打設した後に、一段目のブロックを積んでいきます。
基礎コンクリートは水平に打ち込んで行きますが、その上に最初に積むブロックがすべてを決め込みます。
そのために、水平と直線をきちんと決め付けないと後の仕事がすべて狂ってしまいます。
そこで、直線を決めるために点と点を結ぶように「糸」を張ります。
現在では糸は樹脂製ですから伸び縮みがありますが、昔の糸でしたら足でもかけたら大変だったと想像できます。
その糸を基本に、高さの基準の「レベル」を見ながら、水平に糸を修正します。
この糸を基準にブロックに組み込む鉄筋を差して、高さを調整しながら作業を進めます。
このような下ごしらえの良し悪しがその後のブロック積みの精度を決めます。
この後に基礎コンクリートを打ち込んで、その上からブロックを糸を基準にして積んでいきます。
モルタルを下にかませながら、たての鉄筋をブロック二個毎に入るのを確かめながら積んでいきます。
この一段目のブロックが積まれれば、峠は越したものも同然です。
後はこの一段目のブロックに従って、糸を見ながら一つ一つ積んでいくことで、一区切りです。
この一段目がうまく積まれていないと、その後のブロックは波を打つように乱れてしまいます。
ブロックが長ければ長いほどその精度が求められます。
完成が楽しみです。