4)基本計画から基本設計へ
第1回基本計画の6つのケーススタディの中から、打ち合わせにより一つの案に絞り込んだ後、さらに書斎を組み込むご要望が出されました。
その場で大まかなラフプランニングを提案して、実現可能性が高いことをご理解頂き、次回に基本計画の第2案としてご提案をすることになりました。
第2回の基本計画は一週間後に行われ、ほぼプランニングの方向性が確定しました。
敷地規模は余裕があるのですが、南側に来客用を含んだ3台分の駐車場を設けることや、できるだけ南側に庭を取って家庭菜園も出来るようにしたいことから、自然と住宅の配置計画が決まりました。
間口よりも奥行きが長い町家型の敷地特性がありますので、南側の「表庭」、東側の「通り庭」、北側の「裏庭」という三つの庭を家の中から眺め、それぞれの庭の特性を変えることで、変化に富んだシークエンスの豊かな木の家をご提案しました。
また、中央にある吹き抜けは、三つの庭からの通風との相乗効果で立体的「風の道」を作り出します。
ご主人のなるべく通風性のよい、日本の伝統的住まい方を活かしたイメージと、奥様の吹き抜けのある開放的なインテリアのイメージが、「海風が通り抜ける木の家」のテーマに結びつき、一つになりました。
奥様がお菓子を作る工房も組み込まれ、家庭菜園で造られた野菜がお菓子や食卓を彩ることが想像できます。
また、ほぼプランニングが確定したことから、木の家本体と付帯する工事費や外構工事費、設計監理費、諸雑費や今後想定される諸費用などの全体事業費概算を算定してご説明いたしました。
予算との兼ね合いが了解され、基本設計に進むこととなり、重要事項のご説明により、基本設計がスタートしました。
第1回基本設計は10日後に行われ、いよいよ細かいところに入ってきます。
特にキッチン周りの収納の位置、大きさ、キッチンの形、書斎の本棚の量、レイアウト、個室のクローゼット収納、ロフトの収納など細部に亘って打ち合わせが行われました。
次回は木の家の外観や内部の吹き抜け空間のプロポーションなどの検討を行うこととなりました。