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5)防火制限と木の活用

木の家は柱や梁などの木組みが浴室以外のインテリアにみえる真壁工法とインテリアへの活用をお薦めしています。

 

真壁工法の木の家は、柱一本でビール瓶一本分の水を吸放湿すると言われていますので、壁や床、天井を呼吸する自然素材で仕上げることと併せて、生活実感としての快適性を向上させてくれます。

 

また、木目が見えることで、1/f 効果といわれるゆらぎが視覚的に脳に影響を与えて、リラックスできるとも言われています。

 

コンクリート、鉄で作った巣箱と木で作った巣箱で、マウスの成育効果を実験した例などにより、木の持つ生体に対する視覚、皮膚感覚、音環境など良い影響が実証されています。

 

 

しかし、防火規制と木材はどうしても相容れないところがあります。

 

近年、木は燃えると言うことのみで、どのように燃えるのか、燃える速さはどのくらいかといった具体的なことがやっと実験で分かるようになりました。

 

木は燃えるけれど、ゆっくり炭になりながら燃えて、有毒ガスや一酸化炭素を発生させない点が評価され、使い方次第で防火制限のあるインテリアや外部にも使うことが出来るようになりました。

 

火災の進行状況も詳しく分かるようになり、内部で発生した火災は生活のための家具や可燃物=収納可燃物が燃えるのが先で、それらが消失する30分以前に避難できなければ人命が失われる確率が急激に高まります。

 

現在の住宅は、火災時の化学的建材(ビニールクロスや塩ビ系仕上げ材、発砲プラスチック系断熱材など)の燃焼による有毒ガスによる中毒が命を脅かしています。

 

火災になっても避難するために必要な30分から45分の間、住宅が倒壊しないでいることが出来れば木造でも、木が見えても問題ないということが細かく規定されるようになりました。

 

また、外部からの火災による延焼を防ぐために、外壁の防火性を以前は木材では出来ませんでしたが、木材の燃える速さから算定して、外部からの火が30分から45分の間内部に侵入しない厚さがあれば防火上問題が無いことになりました。

 

ガスコンロなどの火気を使用する部屋では、そのすべての天井と壁の上部は不燃処理をしていないと自然の木を使うことが出来ませんでしたが、コンロやストーブからのある一定程度の距離の範囲内を防火性のある仕上げ材を使用すれば、同じ部屋のその他の部分は木などを使うことが出来るようになりました。

 

設計の工夫次第では、内、外部に自然の木を使いやすくなったのは、木の燃焼特性が少しずつ解明されたことによりますので、今後ともそうした検討がなされることで

より木材の活用が広がることを期待します。