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2)地盤改良

地盤調査によって地盤の強さ=地耐力が小さいことがわかった場合は、設計上での検討を行います。

 

地盤の地表部分の約1メートル前後までが弱く、それより深い部分が問題ない場合は「表層地盤改良」という方法で地盤を安定化させます。

 

表層部の地盤をバックホウという重機を使って掘り起こし、セメント系の地盤改良材を混合して、再転圧して固める方法です。

 

地盤改良材は約1トンの容量の袋に梱包され、現場で混合されますので、工事中に近隣にご迷惑をかけないように、周辺に舞い上がりにくい低粉塵性のものが望ましいです。

また、六価クロム対策を講じた材料でないと、長い将来において地盤の汚染につながりますので、対策品を使うことが必要です。

木の家散歩

 

 

2メートルを超える部分まで地盤が悪い場合は、表層地盤改良では対応できませんので、「柱状地盤改良」などによる深層地盤まで改良を行う必要があります。

 

木の家の設計がほぼ完了し、基礎の形状や位置、全体の荷重が決まってきた段階で、基礎の下部のどこに、どれだけの長さの柱状改良を行えばよいかを検討します。

 

柱状改良の工法も様々ありますし、敷地大きさ、道路の幅、敷地と道路の位置関係、隣家などの周辺環境などによっても、採用する工法が変わってきます。

 

柱状といっても、その形は「円柱状」、「シリンダー状」の大きなドリルのような掘削機で地盤を掘り下げながらセメントミルクというセメントに水を加えたペースト状の改良材を注入することで、円柱状に地盤を固くし、それを何本か打って全体で荷重を支える方法です。

 

最近は、大きな丸パイプの鋼材を入れて、より強く、小さくした施工性の良いものが開発されています。

 

木の家散歩

このような地盤改良を行うことで、地耐力の無い地盤を強くすることが必要ですし、大きな規模やRC造の場合はコンクリートや鉄製の杭を打つこともあります。

 

これらの工法は、基本的には国土交通大臣の認定工法か、性能証明がされた工法であることが求められます。

確認申請、工事検査工程での第三者の検査、書類確認などで安全を確かめる必要があるからです。

 

このほか、地盤改良が必要でないにしても、やや地盤に不安があるような調査結果の場合は、基礎の下部の地盤をタンピングランマーというよく道路工事で使っているような転圧重機で十分に転圧したりすることもあります。

 

そのほか、基礎の補強設計との組み合わせで検討したり、総合的に、コスト合理性も含めて検討することが重要です。