1)木のガレージ
木の家のエクステリアは自然素材、木で造りたい、そんな想いは木の家を愛する方にとっては当然の気持ちかと思いますが、何でも木で作れば良いというものでもありません。
隣家との間のフェンスなど、自分の敷地側は良いですが、隣家側は敷地に入ってまでメンテナンスをするような状況下では、かえって将来に問題を起こす可能性さえあります。
たとえ、メンテナンスを行うにしても、頻度と費用がかかるようでは、いずれ滞ってしまいかねません。
しかし、どうも既製品のエクステリアだけでは折角の木の家が台無しになってしまうこともあります。
高価なアフリカや東南アジアの外材で水に強いものを使ってまで木を使うことをせずに、少しだけの工夫とメンテナンスで日本の木のエクステリアも可能です。
まずは、なるべく水に晒される、湿気が多い環境を作らない工夫です。
ガレージなどは特に目立ちますし、何とか木の家とコーディネートさせたい。
そんな想いから、以前に設計監理した木の家に、新たに増築して建てることになった木のガレージです。
半階ほど上がった敷地の高低差を利用して、家に圧迫感を与えないデザインです。
一本の柱を除いて、他の柱はすべて擁壁の上にステンレスの金具を介して固定されています。
北側のじめじめした下面の部分からなるべく柱を浮かすことで耐久性を高めています。
一昔前の高床工法の原理です。
擁壁の上に、片方の足を折り曲げて座り込んだような形ですね。
小さくとも樋は付けて、雨を下に流しています。
設計のちょっとした工夫と匠の技の共同作業で町並みにアクセントになる木のガレージはいかがですか。