3)木は燃えにくい
伝統的な木の家の造り方の一つである板倉構法のセミナーに参加しました。
伊勢神宮や小さな社に今でも見られる、柱と柱の間に厚板を上から落としこんで造る工法で、日本全国の板倉(いたぐら)=木の倉庫としてわずかですが残っているものです。
木が豊富に使えるときは良く見られたようですが、その後木材消費量を少なくしたりする時代的要請から、土の蔵=土蔵に取って代わられてきました。
以前から取り組んできましたが、近年建築基準法の改正に伴い、確認申請に独自の工法として認められるようになりました。
以前は、筋交いや構造用面材などで耐震強度を確保する方法が基本でしたが、厚板だけでも耐震壁として認められることができるようになりました。
木の家づくりネットワークでも、筋交いで確認申請の確認を取っていましたが、新たな方法が可能となりました。
鳥が翼を広げたような家
また、防火性能も実験にて実証されています。
木は燃えますが、燃えにくいという特性です。
なにやら矛盾しているように聞こえますが、表面が炭化して炭になると、断熱材の役になり、一分間で0.6ミリから1ミリの速さでしか燃え進みません。
30ミリの厚さの板に屋根、壁が囲まれていると、外部からの延焼にも30分は耐える計算です。実験でもそれに近いデータが得られました。
防火性が求められる準防火地域などでも、板壁の外壁が可能になる方法が、板倉工法の家で可能になります。
木の力は本当に不思議ですね。
まだまだ、人間の科学は身近な自然をすべて知っているとはいえません。
自然の力に感謝です。
木の家づくりネットワークの板倉工法の家は=新・あぜくらの家と呼んで皆様に親しみやすくご紹介しています。