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(10)低炭素化セミナー

低炭素化建築物認定制度セミナーに参加しました。

省エネルギーのための建築物の断熱化をどのような方向に進めていくかについて、国土交通省、環境省、通商産業省の三省のプロジェクトチーム・合同審議会検討し、パブリックコメントを実施してきました。

その結果を踏まえて、街づくりから建築、住宅などまで包括的な省エネルギーをどのような基準で展開していくかが公表されました。


その方向の1つは、これまでの断熱をどのように行うかという仕様規定=屋根、壁、床にどのような断熱材をどれくらい施工するか=ではなく、断熱性能の基準を満たす性能規定になったことです。

その性能は、建築物、住宅を断熱的に外部から区分する部分である床、壁、屋根・天井を外皮とし、その断熱性能を「外皮性能」と呼んで、これまで必ずしも厳密に測定が出来なかった性能を共通の計算マニュアルを用いて一元的に比較検討できるようになりました。

その性能を規定する方法も、よく使われていた床面積あたりの単位総熱損失量である熱損失係数(Q値)から、外皮面積あたりの単位総熱損失量である外皮平均熱貫流率(U値)に変更になりました。

これにより、より厳密に住宅の省エネルギー性能・断熱性能が表示、確認できます。

とくに、私が設計する木の家の場合は、屋根の部分で断熱することがほとんどでしたので、床面積のQ値ですとどうしても性能が低く表示されがちでしたが、今後は屋根の面積を考慮した外皮面積になりますので、本来の性能が表示されます。

低炭素化の新制度では次世代省エネルギー基準よりも10%の性能アップを求めていますので、実際の性能に近い評価が受けられるのは合理的と思います。

そして、新たな省エネルギー基準は2020年には基本的なレベルとして義務化される方向にあります。

さらに、断熱性能だけでなく、建築物の構造素材(例えば木造にする)や住宅の劣化低減(これはこれまでの長期優良住宅同等)、節水節水性能、雨水・井戸水・雑排水の利用設備、建築や住宅のエネルギーマネージメントシステム(BEMS,HEMS)、太陽光と連携した蓄電設備、ヒートアイランド対策、高性能セメントの利用なども謳われています。

これらの全体の目標が「低炭素化」であり、都市のコンパクトシティ化などを含めた街づくりと社会づくりに繋がる方向です。

これまで、断熱性能の設計を行わずに、断熱材の物として、建材としてのみ考えてきた工務店や設計事務所は、大きな岐路に立つことになりますが、私達ももっと勉強が必要になります。

これも、快適な木の家と街、社会作りの責任を担う立場として、当然必要となる基礎知識です。