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1)18年目の太陽光発電

18年前に木の家づくりネットワークの草創期に設計、建設された木の家に念願の太陽光パネルを設置しました。

当時は太陽熱を空気に集め、床下から室内に送り込む暖房、給湯システムがフランチャイズ工務店などで限定的に住宅に組み込まれた、屋根に水をためて太陽光でお湯にして浴槽に送る太陽熱温水器、太陽熱を熱媒体に変換して給湯などに使う太陽熱給湯システムなどがあるぐらいで、太陽電池と呼ばれる発電はやっと開発が始まったというところでした。

前述の太陽熱システムもシステム上の課題を抱えていましたので、建設当時ではいずれも採用せずに、将来の太陽光発電の開発の進行とコストダウン、補助金制度の充実を待つことにしました。

そして、今年のここ数年の猛暑もあって、日射遮蔽の効果も期待して、自治体、国の補助制度が充実して手が届く金額になったところで、工事を行うことになりました。

周辺には日射を遮蔽する建物が無く、屋根面も南に大きく確保されているために発電条件は良好です。

将来の太陽光パネルの設置を予想して、屋根荷重にシステムの荷重を組み込んで構造計算してありました。

しかし、念のため構造設計者に再計算を依頼して、再確認しましたが問題ありませんでした。

複数のメーカーのシステム性能、価格、施工方式、防水工法、発電の見える化システム、保証制度などを検討して、パナソニックのシステムとしました。

当時の図面を施工者に渡して垂木の間隔や屋根構造を説明し、施工計画を立てます。

その上で、架台を支える指示金具を取り付けます。

図面だけでなくセンサーを使って確認もします。

屋根材はカラーベストですので、下地に支持金具を取り付けないと屋根材の破損につながりますので注意が必要です。

屋根の色が白く見えるのは、数年前に遮熱対策で塗装した熱放射塗料の「ガイナ」の色です。

ステンレス製の支持金具をビス止めして、コーキングで防水します。

下地の垂木の位置を勘案しながら、微妙に取り付け位置を調整します。


全体の金具がほぼ取り付け終わりました。

屋根の手前と奥では、屋根を支える木組みの構造が異なります。

手前はトラス構造、奥は垂木構造のため、金具の間隔や位置が異なることが分かります。

その上からパネルを受け止める架台を流します。

パネルをゆがみ無く取り付けるために、架台のレベルを糸を張って確認しながら高さを調整します。


ほぼ架台の取り付けが完了しました。


その上から一枚ごとにパネルを取りつけながら、結線していきます。

架台の下にあらかじめ配線されたケーブルに向かって、一枚ごとにパネル間を結線します。

すべてのパネルが綺麗に取り付けられました。

最終的にカーブルがまとめられながら、配管の中を通して外壁に付けられた結線ボックスに送られて、室内の天井に配線されます。

室内の分電盤の右側にジョイントボックスとディスプレイに信号を送る送信ボックスをつけます。

また、近くには直流から交流に変換するパワーコンディショナーを取り付けます。

浴室の点検口を使って配線しましたので、ほとんど配線は露出しませんでした。

外部の受電ポールに付いた電力メーターの脇に、余剰電力の売電用メーターが付けられて、連携工事が完了しました。


18年前に将来の太陽光発電の主流化を見越して、時期を待っていた工事がやっと完了して、設計当初の企画、構想が実現しました。

木の家も完全メンテナンスフリーというわけではありません。

定期的な点検とメンテナンスによって資産価値を維持しながら、時代と住まい手の要請にこたえていかなくてはなりません。

「省エネ」は今年度末に向かって、これまでの次世代省エネルギー基準の義務化を基本に、それに加えて低炭素化(CO2排出の低減)を組み込んだ基準に変わろうとしています。

「創エネ」は太陽光発電の他、燃料電池、風力発電などのラインナップの充実が進んでいくでしょう。

「蓄エネ」は住宅用蓄電池の低価格化と開発の他、電気自動車を組み込んだより広範な蓄電システムに変わっていくと思われます。

それらの機器を全体としてネットワークしたホームエネルギーマネージメントシステム=HEMSの新しい規格も開発され、スマートメーターとあわせたスマートハウス化が大手メーカー以外の個別、中小事業としても進んでいくことと思われます。

以前の太陽光発電が高嶺の花の時代から一般化しつつあるのと同様に、エネルギーインフラのソフト、ハード面のシステムアップの時代に入ろうとしています。