49)ノミの代わりの道具
昨日ご紹介した鴨居や敷居の溝突きの大工工事ですが、昔はノミで突くように溝を掘り込んでいたので「溝を突く」ということではないかと説明しました。
今ではノミで突いていたのでは時間が掛かるので、機械を使います。
その機械が「溝突きカッター」と呼ばれる機械です。
これですが、結構重いのです。
加工するときに軽いとぶれやすいので重くしてありますが、大工さんは少し大変ですね。
裏側がこのようになっています。
金色の回転する爪のようなものが刃です。
木の刃の幅が21ミリです。
敷居や鴨居の溝巾が21ミリと決まっているので、その巾の刃を使いますが、その他にもいろいろあります。
深さは刃の出で調整します。
この刃がとても高いのです。
最近は大工さんもあまりこのような加工をしないので、特注になり高くなるのです。
これは少し違う「自在カッター」です。
刃の部分を拡大した画像ですが、よく見ると厚い丸鋸の丸い歯が斜めに取り付けられています。
この角度を変更することで、回転するとミリ単位で巾の違う溝が突けるのです。
細かい設計と種類の違う引き戸を取り付けるときには、このような自由性の高い加工が出来る機械が必要になります。
住まい手の利便性と機能性を高めた設計を無垢の木の、手造りで造るときにはこのような様々な機械、道具が必要になります。
大工の仕事は道具を見れば分かる