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9)防水通気シート

前回は通気工法の必要性をご説明いたしましたが、外張り断熱や充填断熱などの工法如何に関わらずに、また、断熱材が繊維系(布団の綿のような)やプラスチック系(比較的硬く、板状)如何に関わらずに、概ねどのような工法においても必要になります。

 

住宅の作り方は精密な機械に比べたらまだまだラフな造りで、ローテクな技術、工法で作られていますので、水蒸気を相手にするようなナノテクまがいの精度の高いつくりができないため、水蒸気の逃げ場を作ることが保険の意味で長持ちする木の家には必要と思われるからです。

 

そのように考えますと、やたらと断熱工法の違いで家の性能や耐久性をことさら違うように喧伝することがいかに手前味噌になるかが良くお分かりかと思います。

 

むしろ、どんな工法、作り方でもきちんと、丁寧に作ることが基本です。

 

 

さて、本題の左官壁の外壁のための通気工法ですが、左官壁の下地に張る防水シートに通気性能を与えたものが「防水通気シート」で、エアーパッセージシートと言う商品として開発され、その性能が認定されています。

 

木の家づくりネットワークで採用していたオリジナル通気工法よりも、通気性能が商品開発時に第三者機関により認定されているため、また長期優良住宅の確認申請においても確認できることから採用を決めました。

木の家散歩

この写真は防水通気シートをロール状にしたものですが、これはダンボールシートに良く似ていますね。

 

このダンボール状の隙間を通気層になり、水蒸気が移動します。

 

下に敷いてあるものが平らにした状態で、外側の面を上にしていますが、その面は外部のモルタルなどの左官壁が施工される面で、防水性能があります。

 

内側は波上の山がある面で、室内からの水蒸気が通過して、ストロー上の通気層を上に上昇することで外壁の一番上や屋根の通気層を経由して排出されます。

 

通気部分の流体速度は焼く10~14センチ/秒で、北海道の真冬でも、三階建ての高さ約10Mの場合で換気回数は40回/時になります。

 

一般的に使われている室内側からの湿気は通すけれど、外からの雨水は通さないと言う透湿防水シートの透湿抵抗値が0.19~0.13であることに比べ、防水通気シートは0.000072というとても高い透湿性能があります。

 

それだけ、室内からの水蒸気を放出しやすいものです。

 

木の家散歩

外壁に防水がきちんとできるように、通気層がつながるように張り込んで、継ぎ目を防水テープで貼ります。

 

木の家散歩

綺麗に張られた防水通気シートです。

 

この上から左官工事の仕上げが行われます。