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8)通気工法の必要性

木の家の耐久性にとって、水や湿気からどのように木材を守るか=その方法が重要ですが、その為の建築工法として最近は通気工法が標準的になってきました。

 

通気は外壁と屋根に必要ですが、なぜ必要になるかです。

 

昔は必要ありませんでした。

 

家の中では重ね着して寒さをしのぎ、薪を燃やし煙で家全体を燻すように暖をとっていましたので、断熱をしていない、サッシではない、隙間が多い土壁の家では水蒸気が室内に溜まることがありませんでした。

 

その後の気密化により空気の移動が少なくなり、断熱化暖房機器の利用により冬でも暖かく過ごせるようになりました。

 

その代りに、室内温度が高くなることで室内の水蒸気量が増え、冬期の室内の水蒸気圧が外部より高くなりました。

 

その水蒸気=気化した水を含む空気は水蒸気圧が低い、温度が低い外部に向かって移動しようとします。

 

それは基本的に空気ですから、断熱材はもちろん、木材や建材の中を透過して移動していきます。

 

一方、外壁は雨が侵入しないように防水しますので、中からの水蒸気を含んだ空気は外に出にくい造りになります。

 

また、だんだん外に行くにしたがって温度が下がっていきます。

 

空気は温度によってその中に含むことができる気体としての水=水蒸気の量が異なります。

 

空気は温度が高いほうがたくさんの水蒸気を内包することができ、温度が低くなると内包できなくなった水蒸気が水に変化して、よく言われる「結露」がおこります。

 

冬期に室内から外側に移動した空気は外気によって冷やされ、結露します。特に、移動できない密閉状態の場合はその傾向が強くなります。

 

そこで、外壁側に壁の中を移動する水蒸気や結露した水を排出しやすくする「通気層」を設けることで、壁の中に結露が発生することを少なくして、柱や梁、土台、そのほかの木材、建材を結露による腐れ、カビ、シロアリから守ろうとしています。

 

通気層の中の空気は、土台などの近くの下から、壁の中の外側を通って、屋根の近くの屋根庇の下面=軒天井から出たり、そのまま屋根の上面の通気層を通って、屋根の一番上の棟の換気部分から出るように作られています。

 

同じことは屋根にもおこりますので、同様に屋根通気工法を採用します。

 

外壁がサイディングなどの工場で作られる外装部品の場合は、その下面に通気層を設けることがだいぶ前から行われていましたが、外壁を左官屋さんが塗る左官壁の場合は通気工法が施工しにくいこともあって普及が進みませんでした。

 

木の家づくりネットワークで設計、施工する木の家は左官壁がほとんどです。

 

設立当初から、オリジナル工法として通気工法を研究、採用してきましたが、この度、長期優良住宅への対応のために新しい工法を採用して取り組んでいます。

 

次回に具体的にご紹介いたします。