11)割れのない外壁左官用ラス網
木の家の外装では左官仕上げが良く似合います。
水を加えて練るというつくり方がいかにも素朴で、既成のサイディングなどの均一な仕上げに比べて、光と影による陰影が様々な、しっとりした表情を見せてくれます。
これは洋の東西を問わずに人間の住処に共通する遺伝子のような仕上げ材です。
ただ、高度成長期の粗製乱造の住宅作りにより、早く仕上げて次の仕事を急ぐあまり正規な養生期間を取らずに重ね塗りしたため、やたらとクラックが生じることなり一気に評判を下げました。
下地の木材の未乾燥や構造的問題もありましたが、一番外側に見える左官外壁の悪名は一気に広がり、サイディング全盛期へとつながりました。
しかし、近年品質は高いものの、手作りの味わいを見直す機運のなかで、少しずつ外壁左官仕上げが見受けられるようになりました。
表面の仕上げ材料もさまざまに開発され、微妙な色や風合いを選択できるようになりました。
それでも外壁左官工事の基本は下地にあります。
特にモルタルを塗るときに壁にモルタルがしっかりと塗られて固定されるための鉄製の網=ラス網にどのようなものを使い、どのようにとめるかが重要です。
ラス網は平べったいものでなく、ごつごつとした凹凸があるもので、その山の高さが6ミリ以上あるものが望ましいと思われます。
山形ラスとかメタルリブなどと呼ばれるもので、菱形の網の目が部分的に盛り上がって山形に飛び出して、その高さが6ミリ以上あるものです。
防水通気シートの上から端を重ねながら張ってきます。
そして、そのラス網を止めていくのがステップルというホチキスの玉を大きくしたようなもので10センチごとに留めていきます。
しかも、その玉はステンレス製です。
水を含んだモルタルを塗りますので、ラス網はメッキされており、玉がステンレスですから長い間の風雨にも持ちこたえられる品質です。
このように基礎のように普段は見えない部分が、木の家を長持ちさせるための重要な要素の一つです。
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