3)法規調査、地盤調査から基本計画へ
建て主の方とのざっくばらんな打ち合わせの後に、実際の敷地確認と建築法規、地盤調査へと進むことになりました。
敷地は以前に畑、果樹として利用していた、やや傾斜のある一団の土地を開発したもので、道路幅も6メートルと広く、差し込み道路のため通過交通がなく落ちついています。
すでに隣接地は住宅が建っていましたが、道路幅が広いため開放感があり、日照も、通風も十分得られる好環境です。
ただし、北側の隣地境界が擁壁になって高低差があることから、北側は埋め戻しの可能性が高いため、地盤調査を先行することをお勧めしました。
いつもと同じ表面波探査による調査です。
右側のお釜のような機械が起振器で、左の感知器に伝わる振動の周波数で地盤状況を分析します。
これは矢じりを差し込んで物理的に地盤の固さを確認するサウンディングですが、発電機の電気で作動するので安定したデータがとれるものです。
現場でプリントされるデータからは、やはり擁壁に近い部分と傾斜の下の部分が少し転圧不足があり、表層地盤改良などが必要になりそうです。
併せて、近隣の新築住宅にお住まいの方にも伺いましたが、基礎地盤の改良、または杭工事を行った様だとのお話でした。
最終的な地盤調査報告書の内容により、基礎、地盤の設計の検討を行います。
また、役所にて建築法規の調査を行いました。
基本的には土地の購入時の重要事項説明の内容に間違いはありませんでしたが、
敷地のエリアは埋蔵文化財の調査対象地域に指定されていました。
赤い部分が文化財の地域ですが、調布市は埋蔵文化財の地域が多いのがよくわかります。
それだけ昔から人が住んでいた訳ですから、住みよい場所だったのでしょうし、今でも便利で伸びやかな地域です。
一般的には地盤面下30センチ以下を掘削するときは文化財調査が必要になります。
地盤改良を行うことはその規定にかかってしまいますが、造成時に旧地盤の上に土盛りをしておりその地盤以下は改良が必要ないこと、造成時に調査を行っており、ほぼ何も出てこなかったことなどから、工事的には問題ないことの見通しが立ちました。
ほっと一安心です。
建て主のご夫妻には木の家づくりカルテにご記入を頂いておりました。
打ち合わせの時のイメージ、想いとカルテの内容に基づき、いよいよ基本計画のご提案です。
木の家の設計監理の応援宜しくお願いします