72)米ぬか油の床塗装
一般的な住宅ではクリーニングが終わればほぼ完了ですが、無垢の床の木の家ではクリーニングが終わった後に床塗装を行います。
クリーニングも合成洗剤は使わないスチームクリーニングです。
収納の中の棚板一枚ごとに埃を吸い取り汚れをお湯拭きで丹念に落とします。
作り付け収納が多いと隅々まで清掃するのも時間がかかります。
現場での大工工事や建具工事などで木の粉やくずが多いので吸い取っただけではきれいになりません。引越しのときにそのまま荷物を入れても問題の無いようにクリーンアップします。
サッシとガラス、鏡などはスチームでふき取ります。
サッシの細かい溝を一本一本こびりついた埃を落として新品同様に復元します。
それらの仕事と併せて、内部の傷の確認をします。
特に、木部の杉などは柔らかく傷つきやすいため、ペーパーを当てたりして補修します。
すると俄然と木目が引き立ってきます。
そして床と家具、建具などを自然塗料の米ぬか油 で仕上げます。
するとあめ色に木の色が引き出されて一つ一つの木が浮き立ち、木目がはっきりして、杉、桜、ヒノキ、赤松、唐松などの木目のハーモニーが聞こえてきます。
米ぬかの油は昔の日本では糠を木綿袋に入れて柱や床を磨いていましたが結構大変な仕事でした。
現在は液体で製造されていますのでさらさらして使いやすく、少量でたくさんの面積を塗ることができます。
日本人の知恵を手軽に塗装に生かしましょう