14)清水寺の柱が腐りました
シロアリの被害は地球温暖化の進展とともに被害が
増えていくことが予想されています。
清水の舞台でご存じの京都の清水寺を支える柱の根元が
シロアリや腐朽菌により腐食していることが分かりました。
380年近くの間本堂と舞台を支え続けてきた
直径60センチ以上のケヤキの柱78本のうち
12本がシロアリや湿気の被害で腐食したり
空洞が開いていたりする可能性があるという。
清水寺は日本各地に見られる掛け寺と呼ばれる方法で
建てられており、山肌の岩や石、岩盤に柱を立てて
斜面に掛けるように建てられています。
これは鳥取県三朝町にある三仏寺の奥の院の
投入堂(なげいれどう)です。
これは極端かもしれませんがこのように崖に柱を
建てて造っているのです。
しかし、ケヤキの大木が腐食するとはさすがに
清水寺の住職さんも驚いたに違いありません。
本堂や舞台の床下は比較的通風がよいと思いますが
山側は閉じていますし、雨が降ると舞台の床から
下に漏れた雨水が流れながら柱の根元の環境を
腐朽菌がつきやすい環境になったのかもしれませんね。
そのあとに、季節によってはシロアリが食害を及ぼした
可能性があると思います。
木の家にとってもシロアリや腐朽菌は大敵です。
シロアリの食害はまさにシロアリの生育環境に
影響されるものです。
生育環境としての食料となる木材、樹木と、好まれる温度、
水、腐朽菌による腐朽などの条件が重なることにより
シロアリが呼び込まれ、食害になります。
シロアリの食害を化学物質を使わずに防ぐには
シロアリが好む木材と水と腐朽菌を
与えないことが重要です。
シロアリが好まない木材は、ひば、栗、杉とヒノキの赤身
などです。
一概に杉はシロアリに弱いのではなく、赤い部分ではない
白い部分の白太や ヒノキの白太は劣悪な環境におきますと
食害にあうこともあるのです。
特に外材は湿気の多い気候風土に合わないため
食害にあいやすいのはご存知の通りかと思います。
また、土台や大引などの床下や水周りの材料には
通風性が求められます。
浴室や水周りの漏水、壁内の結露などは腐朽菌の増殖を
招き、長い間放置するとシロアリを呼び込むことになります。
木の家づくりネットワークでは土台に
栗や杉の赤身、青森ヒバなどを使い
床下全面の通気工法 と水周りの防水工法の徹底により
シロアリを呼び込む環境を作らないことで
薬剤を使わずに食害を防いでいます。
ケヤキも硬いので強いののですが
さすがに400年近くもの年月では厳しいかもしれません。
長持ちする木の家はシロアリに強い足元から始まります