29)上棟式の矢羽根(やばね)飾り
棟が上がって、屋根のあぜくら板が張られてから、上棟式を夕方行いました。
祭壇を飾って、自然の恵みに感謝する想いを込めて、野菜、果物、乾物、塩、米、酒を供えて、木の家づくりネットワークのオリジナル上棟式の進行にしたがって、無事に行われました。
その飾り付けの中でも、矢羽根飾りが綺麗に棟木に飾られました。
敷地状況や家の形によって、必ずしも屋根には飾らない場合がありますが、今回は道路に向かって三角お屋根が綺麗に見えますので、上手く取り付けられました。
この上棟飾りは東北、金山町の形式を引き継いでいますが、全国的にも同様な飾りが見られます。
1994年からずーっとこの飾りを行っています。
さて、この飾りですが五色の旗と二つの矢羽根からできています。
中国から伝わる都造りの基本的考え方=都市計画のようなものですが、四神相応(ししんそうおう)という考え方から来ています。
都を中心に、東が青龍(せいりゅう)=青=河・水、
南が朱雀(すざく・鳳凰)=朱=太陽・実りあるある大地、
西が白虎(びゃっこ)=白=大道、
北が玄武(げんぶ)=亀と蛇)=黒または紺=山
と言う四つの方位と神獣、色、環境によって街づくりを行ったことから来ています。
そして、その中央に黄色の旗を入れて、中央=家の場所をかたどっています。
日本人は奇数が好きで、中国の偶数=左右対称の仏閣の伽藍配置を変形させていますが、やはり非対称の5本が良かったのでしょうか
そして、矢羽根です。
破魔矢(はまや)とも言われます。
これも中国の都の大きな造営工事中に何度も火事にあったことを、上棟時に矢羽根を飾ったことで、火事を防ぐことができた故事から来ています。
向かって左側が蕪矢(かぶらや)、右側が蛙又矢(かえるまたや)と言い、二種類の槍のような武器から来ているようですが、凹凸型の二つの組み合わせで家を守る、木組みをしっかりと組むなど、いろいろ解釈がるようですが分かりません。
これらの矢羽根は神社のお札とともに売られているところもあります。
この飾りを一晩飾って、翌日片付けます。
お祝いの時間を記憶に留める大切なイベントでした。
上棟式の後は、施主さんの主催する直会(なおらい)が別会場で開催され、大工さん、施主さん家族、私どもで歓談の機会を頂きました。
思い出に残る記念行事でした