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10)鉄骨造のような鉄筋

基礎工事の第二ステップです。

捨てコンクリートを打つことは、一般の建売住宅の布基礎ではほとんどありません。

また、べた基礎であっても砕石転圧をして、防湿フィルムを敷いたらその上から鉄筋を組み立てます。

砕石転圧でなるべく水平を出すようにしていますが、現実的には厳しいものがあります。

また基礎の位置を出すのは基礎の周りの木の遣り方(やりかた)の水貫(みずぬき)の番付の墨から出しますので、精度が上がらないことがあります。

やはり、なるべく捨てコンを打って基礎の鉄筋、型枠を組むほうが望ましいと思われます。

さて、そんな捨てコンクリートの墨出しが終わると、型枠の設置です。

木の家づくりネットワークでは基礎は、底盤と立ち上がりのコンクリートを一体で打ち込む「一体打ちコンクリート基礎」を採用していますので、型枠を設置するために特別なセパレーターという金具を使います。

そのセパレーターを基礎の外周部に設置して、外周部分の型枠から先に設置します。

まるで大きなプールのようですね。

その底に底盤の鉄筋となる上下に二重となる「ダブル配筋」を組んでいきます。

そして、外周部分の立ち上がりの鉄筋を留めていきます。

これがベース配筋と呼ばれる、底盤の鉄筋です。

上下に二重になっているのがわかります。

家の形が長方形のため、短辺方向が20センチ間隔、長辺方向が30センチ間隔になるように組んでいます。

構造計算で確認された配筋設計に基づいて施工されます。

家の形とは逆の形の長方形の桝目が切られていることがわかります。

外周部の鉄筋の様子です。

垂直に組まれている鉄筋が「スターラップ」、「アバラ筋」、「縦筋」などと呼ばれる鉄筋で、太さが13ミリあります。

よく図面にD13と書かれているもので、間隔は20センチです。

基礎の立ち上がりが折れるような力に対して対抗するための鉄筋です。

また、立ち上がりの部分が底盤と一体となって、転倒しないように鉄筋が引き止める役割を担います。

頭の部分がJ型のように曲げられていますが、これを「フック」と呼んでいます。

水平に組まれた鉄筋を「横筋」と呼びますが、そのうち一番上と一番下の鉄筋を主筋」と呼びます。上の鉄筋を「上端筋(うわばきん)」、下の鉄筋を「下端筋(したばきん)」と呼びます。

その上端筋とスターラップを一体化するためのものがフックです。

最近では工場で加工する「加工鉄筋」が増えており、その場合は溶接をしてありますが、今回は基礎工事職人が現場で曲げ加工をする従来の方法を取ったため、フック加工になっています。

さらに、上端筋を二重にして、ダブル配筋にしています。

これも構造計算で、必要に応じた補強をしている部分です。

今回は特別にすべての外周基礎部分の上端筋をダブル配筋にしておきました。

内部の立ち上がり部分のスターラップの写真です。

鉄筋の太さは10ミリの「D10」と呼ばれるものになっていますが、間隔は15センチで細かくなっています。

こちらの主筋はシングルですね。

この状態でアンカーボルトを留めつけます。

昔は田植えと言って、コンクリートを打つときに田植えのように入れている現場がほとんどでしたが、今では昔話ですね。


外周部分の型枠がほぼ出来上がり、鉄筋の配置がだいぶ出来上がりました。

今後は鉄筋と鉄筋を番線で結束したり、スペーサーという鉄筋と型枠の間隔を確保するための部材を取り付けて、内部の型枠を設置していきます。

次の写真はおまけです。

以前に割栗石で基礎の下を補強したことをご説明したと思いますが、
そのときの石の写真です。

直径12センチから15センチほどの安山岩、御影石系の高度の高い石の中から選別します。

最近はなかなか見かけませんね。

次回は鉄筋検査です