16)ハイブリッド加工方式の上棟工事ー2
上棟工事も二階まで進みました。
基礎の高さの誤差がプラスマイナス1ミリほどの精度の高い水平が確保されましたので、二階の床の梁も同様に水平が確保されます。
二階の柱を立てて、二階の天井の高さにある梁=軒梁(のきばり)を組んでいきます。
二階の床を下から見たところです。
床を支える梁も大きく、その梁に少し細い根太(ねだ)という部材が30センチ間隔に組み込まれて、その上から北海道産唐松の構造用合板が敷かれています。
根太が梁に全部埋め込まれるように組まれていますので、火打ち梁(ひうちばり)という斜めの梁が必要なく、とても強い床=剛床(ごうしょう)が造られます。
床の上の家具や人の荷重だけでなく、地震の揺れをしっかり受け止めて一階の柱、スジカイ、土台、基礎に流して、破損を防ぎます。
家のフレームが固まってきました。
二階の軒梁の上に屋根を支える束(つか)という短い柱のようなものを立て、そこに屋根の梁ともいえる母屋(もや)を乗せていきます。
家の上に木の大砲を載せたような姿ですね。
普通の家では、この母屋という梁は12センチ角の大きさで90センチ間隔で細かく入ります。
しかし、二階の天井を打ち上げて伸びやかな空間を作ったり、ロフトを使いやすくするために約1.8M毎組むため、母屋が太く、がっちりとした大きさになります。
そういうわけで、木の大砲のようになる訳です。
梁に斜めに取り付いている部材は小屋方杖(こやほうづえ)といい、母屋や屋根が地震や風で横に揺れた時に、がっちり支える部材です。
西洋のトラス構造を日本の木の家にも採用したもので、少し洋風にも見えますね。
二階の軒梁の上から見たところです。
一番上の棟木(むなぎ)が乗りました
屋根の構造がしっかり作られていることがわかります。
やや左側に立っている束(つか)は実は一階から一番上の母屋まで一本の柱の通柱(とおしはしら)です。
屋根を支える木組み=小屋組み(こやぐみ)が一階から一本の柱で貫かれているのは、構造的に屋根まで一体化して安定しています。
順調に棟が上がりましたので、夕方明るいうちに上棟式です。
建築主の方に祝詞を奏上していただきました。
ご家族、ご両親、大工、関係者が喜びと共に、今後の工事の無事、安全を祈念して厳かに執り行われました。
大工棟梁による盤木(ばんぎ)の七五三打ちです。
7回、5回、3回と順番に打ち鳴らします。
本当は棟木を打つのですが、見えてくるので傷が付きますので、盤木を打ちます。
建築主の方、ご両親にも上棟の木組みを見ていただき、安心して、喜んでいただきました。
「新・木組みの家」のお披露目でした