44)面取り鉋です
大工の造作工事と家具工事が進んでいます。
造作工事の鉋加工の中で面白い鉋があります。
面取り鉋(かんな)です。
造作材を綺麗に鉋加工すると、角の出隅は手が切れるほどに90度の角がとんがります。
実際の生活でもあまり角がとんがっていると、特に女性は心理的にも、実際的にも怖いものです。
そこで、角を斜めに鉋をかけて、とんがりをなくすことを「面を取る」といいます。
その時に使う鉋が面取り鉋です。
左が普通の鉋です。
樫の木の台木と二枚刃の鉋です。
右が面取り鉋で、小さな鉋が二枚の木にはさまれたような形をしていますね。
裏から見ると、面取り鉋の裏側が90度の角の台木になっていることがわかりますね。
入り隅の小さな隙間のみに、鉋の刃が出るようになっています。
角の形が良くわかりますね。
ボルトではさむ木の厚さの調整で、面を取る大きさの変更ができるようになっています。
大きな柱の面は大きく取り、造作材などの小さな木材の面は小さくなります。
居間の大工工事で真壁の家のように、柱や梁が見える木の家でなければこのような鉋は使わなくなりました。
木の家をきちんと造る大工は道具も沢山の種類が必要です。
大工の仕事は道具でわかる