7)ウッドファイバー
昔の日本の家はもちろん木の家ですが、同時に土の家でもありました。
柱や梁などの木組みに竹を組み、ワラと土で練った土を塗りこんで壁を作っていました。
ですから、断熱材はありません。寒い時は厚着して、火を燃やして温まっていました。
オイルショック以降、住宅の断熱化が急速に進みました。
土壁の中にどうやって断熱材を取り付けるかを悩んだ末、土壁の土にグラスウールを混ぜて塗ればいいなんてことが実しやかに言われたりもしました。
今では、北欧生まれの高断熱高気密住宅が流行ったり、外張り断熱でなければ家でないなんていうCFが流れたりしましたが、昔の人が見たら家ではないと思うのではないでしょうか。
そんな断熱は木の家でもとても重要です。
以前からいろいろな断熱材を検討してきましたが、これでいいということはありませんでした。
できれば、木の家の断熱材は木でできないかと、新・あぜくらの家という厚板を壁の中に組み込む作り方を開発したりしました。
ただし、少しコストアップになるため、予算によっては他の設備や仕上げを削らざるを得ません。
しかし、最近ドイツ生まれの製法で、北海道育ちの木の繊維系断熱材が少しずつ普及しています。
その名のとおり、ウッドファイバーです。
木の繊維を細かく砕いて、高密度に成型したもので、断熱性はミドルクラスのグラスウールと同等で、何よりも自然素材です。
断熱材としての空気を閉じ込めている木材も若干の断熱性がありますから、相乗効果があり、一般的な断熱材自体が夏は熱く、冬は冷たくなる傾向があるのに比べて、温度の影響を受けにくい特性があります。
数値的な性能以上に実際の断熱性が高いと思われます。
今後はこのような断熱材もお薦めできると思います。