ブログblog

27)床の固さが大事です

耐震性を高めるには構造用面材や筋交いによる耐力壁をバランスよく、必要十分に余裕をもって設けることですが、その力を相互に繋いで、より強固にするためには床の固さが大切です。

二階建ての場合、一階と二階の耐力壁の位置が上下で一致していれば、地震の力はスムーズに地面から二階、屋根、そしてまた逆のルートで地面に戻っていきます。

そうすれば、家は壊れずに、住む人の命を守り、地域の災害を防ぐことができます。

しかし、一階と二階の間取りが同じと言うことはまずありませんから、上下の耐力壁の位置はどうしてもズレます。

その時に、力の伝達ルートになるのが、「」です。

日本の伝統的木の家は、ほとんどが平屋で、二階があっても小さなロフトのようなものでしたら、床のことは地震に対してあまり考慮されいません。

梁の上に、床下地材の根太(ねだ)を置いて作っていた程度です。

床が柔らかいのです。

現代の総二階、三階ともなるとそうは行きません。

床を固く作らないといけません。



これは二階の床を下から見上げたところです。

両端の大きな梁に、横方向に根太が梁に埋め込まれるように取り付けられています。

かつ、根太は梁に二本の釘でしっかりと斜めに止められています。

その根太の大きさは巾45ミリ、高さが120ミリあり、一回り大きめです。

間隔は303ミリで組み込まれており、上から厚さ12ミリの構造用合板を釘止めしています。

梁、根太、構造用合板が一体化して、固い床を作っています。

最近は木組みの加工を簡略化して、施工手間を省くために、この根太を使わずに、厚さ24ミリの構造用合板を梁の上に敷いて床とする工法がほとんどですが、実際は床が下がったり、振動したりするなどの問題が出ています。

上から見ると、間隔150ミリで、長さ50ミリの頭の大きな釘で止められています。

釘の頭が小さいと、釘止めの力が弱く、構造として機能しません。

このような構造用合板=構造用面材と釘でしっかりと止められた床を「剛床」(ごうしょう)と言います。

垂直の壁と水平の床がしっかりと固められていることが、地震に強い木の家の基本です。

床も大事です