完成見学会@木に包まれた家-5
調布の家は方位的には南西に向いて建っています。
敷地形状に合わせて設計すると、主な窓のある正面を隣家側に向けるか、道路側に向けるかの二択です。
実際、道路に面する近隣の新築住宅では、なるべく南向きになるように隣家側に向けて建てている家のほうが多いです。
しかし、あえて巾6Mの道路の開放感を活かすために、道路側に向けて計画設計しました。
開放感が得られる半面、西日対策が必要です。
そこで、主な窓に外付けロールスクリーンを装備しました。
風にもある程度耐えうるもので、耐久性があるアクリル系のアルミサッシ用のスクリーンを転用して、そのボックスを木の板で隠して修景しました。
1、2階の大きな窓すべてにつけました。
本来はアルミサッシの窓枠にスクリーンの取り付け部品が付くのですが、木製サッシには取り付けられません。
一階の窓は下のウッドデッキに一般金物の固定用金具を付け、二階の窓は手摺の内側にフックを付けました。
いずれも、斜めに下げることができるため、脇から風が通るようになります。
夏場にどの程度の効果があるか楽しみです。
また、1階の窓の雨戸は格子雨戸です。
雨戸と言えば外から中が見えないようにパネル状になり、その雨戸を収納する戸袋(とぶくろ)も壁のようにするのが一般的です。
しかし、奥様からのご要望にヒントを得て、両方とも同じ間隔の縦格子に設計することで、一階の正面の外壁デザインを格子で統一することにしました。
外出するときだけでなく、普段でも格子雨戸を閉めることで、家の中のプライバシーを確保しながら、適度な採光と通風を得られます。
生垣として植えたトキワマンサクの赤、白の花が咲くと、花と緑と格子戸と家が調和した美しさを演出してくれるでしょう。
格子戸を閉めたときのひろまから外を見たところです。
ちょうど、日本の伝統的町並みの格子のある家のイメージです。
ご家族もそのイメージを持っていたのでしょう。
ちょっとした買い物でしたら、格子戸を閉めて、サッシ窓を少しあけて出かけても戸締りは心配ないでしょう。
サニタリーコートの植栽です。
浴室側を黒竹、洗面側を銀木犀、モミジ、シロモジ、カラタネオガタマ、カマクラヒバを植えました。
成長にしたがって、陰影とさわやかな風を送ってくれるでしょう。
引渡しの喜びと一抹の寂しさは、ご家族の新たな生活のスタートを契機に、新しいお付き合いの楽しさにゆっくりと変わっていきます。
木の家での新生活おめでとうございます