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完成見学会@光と空気の格子の家-2

玄関扉を開けるとコンパクトな玄関が迎えてくれます。

家の南側中央から入るため、玄関をいかにコンパクトにまとめるかが、一階のひろま空間を伸びやかにできるかのポイントです。

靴収納のスペースを最大限確保しつつ、傘収納も組み込んだ玄関収納を無垢の杉の框戸(かまちど)で造りました。


金山杉の繊細な木目が優しい表情を見せています。
奥はカウンター状になっています。


振り返ると、和紙調ガラスのペアガラスを組み込んだ玄関扉のガラス、横の袖ガラス、上の欄間ガラスから、明るい光が玄関を照らしています。

玄関土間の上を見ると、木の格子が掛けられ、二階の階段ホールの南側の窓から光が差し込みます。

天井で蓋をされるよりも、玄関の採光、通風により、狭さを感じません。


玄関からひろまに入ると、ダブルリビングのようなワンルームのひろまが広がっています。

約1坪=2畳の玄関がボックスのように見えます。

手前の西側を居間的に使い、東側を食の間として使います。
二つの場が、磁石のS極とN極のようにバランスをとりながら、家族の生活に合わせて変化することが期待されます。


二つのスペースが、半分見えて、半分見えない不思議な感じです。

これは、冬のバージョンですが、夏場は玄関の引き戸や仕切りの上げ下げ障子を開放することで、玄関がひろまに組み込まれ一体化して、さらに通風性と開放感が高まります。


東西に窓への視線が通ります。


腰壁に貼られた杉板がぐるっとひろまをまとめるように一体化し、視線が通ることで、ゆとりのある空間ができます。


さらに、西側のひろまの天井の障子を両側に開くと、二階の主寝室との間の床格子が見えます。

二階の南側の窓からの光と風がここでも通り抜けます。

将来、南側の隣家がこの家の南側に迫るように建て替えられた時に、上部からの光が、圧迫感を和らげてくれるであろうと期待しています。

将来の保険を兼ねて、今でも快適に暮らせるようにとの提案です。


ちなみに、南側の家は約3mほど境界から離れていますので、助かります。

土になるべく近いところに生活の中心を置きたいと言う奥様の要望を実現しつつ、二階リビングに比べてやや開放感が落ちる点と玄関によるスペースの限界を、コンパクトエントランス上げ下げ障子床格子によって少しでも解消しようとしたことがテーマになりました。

水平的だけでなく、垂直的なオープンプランのテーマです。