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8)カネが出ない?

地鎮祭が終わると、基礎工事です。

地盤調査により地盤面から1.5Mほどまで地盤の耐力が小さい地層がありましたので、地盤対策が必要でした。

杭を打ったり、地盤の土にセメント系の改良材を混ぜて固める地盤改良工事を行うことがあります。

北浦和の家では構造設計で総合的に検討した結果、地盤と基礎の強化対策を図ることにしました。

杭や地盤改良では基礎工事の前に工事を行う必要がありますが、地盤と基礎の強化では基礎工事の一環として行うことが可能ですので、工期短縮とコストダウンが可能です。

そこで、早速に基礎工事に着手することができます。

まずは、家の位置を敷地に位置づけるための遣り方(やりかた)工事です。

家の周りを囲むように木の杭(くい)を打ち、その杭に木の板のような貫(ぬき)を水平に留めつけて、その貫に基礎の位置の印をマーキングします。

手前にあるのはレーザー光線で水平を出すための「レベル」と呼ばれる機械です。

レーザーが当たると音がでる受信機を移動させることで、どこでも水平の、同じ高さを出すことが可能です。

貫を水平に取り付けて、地盤の高さや基礎の高さを確認しました。

貫の上に基礎の位置を出すためには直角がしっかり出ていることが必要です。

職人用語で「矩(かね)を出す」とか「大矩(おおかね)を出す」といいます。

昔はピタゴラスの定理のごとく、3・4・5の三角形で直角を出しましたが、いまでは「かねぴた」という道具を使って出します。

巻尺の中から二本のステンレスのテープが出てきて、それをピーンと張ると直角二等辺三角形が造れるという道具です。

写真の職人さんの右と左にステンレスのテープが見えますね。

一回で綺麗な直角=矩(かね)が出ました

これで基礎工事に取り掛かれます。

リフォーム現場などで、床や壁が歪んでいて直角が出ない、水平、垂直が出ないことを、職人が「カネがでない」と何回も行って困っているのを聞いた施主が、予算が厳しかったのかなと思ったという笑い話がありました。

お金と矩(かね)は違います