64)格子の戸袋は初めてです
手づくりの窓の中でも一番の大物が一階の掃き出し窓(はきだしまど)の雨戸です。
床から上までの一番高さのある窓ですが、昔は箒でごみを掃き出していましたので、掃き出し窓といいます。
その雨戸はクライアントとの打ち合わせで、格子雨戸にすることになりました。
雨戸は本来雨を防ぐ機能が必要ですので、木製の雨戸の場合はほとんどが板で覆われるように雨戸をつくります。
しかし、格子状に造ることで、閉めた時にも風が通ることを優先して、外出しても密閉せずに、防犯性を持たせるために格子雨戸がよいと決まりました。
夏は網戸にすれば、風を通しながら、出入りはできない仕組みになります。
その雨戸を収納する戸袋(とぶくろ)も格子にしようということになりました。
それは、現場で大工が造ります。
格子を並べて、幅を固定するための横の木材用の溝を突いています。
現場の作業台の上で造りますので、精密な加工はできませんがそれでも綺麗に造られます。
一つ一つの加工を考えながらの仕事ですので、時間がかかりますが楽しみな造り物が出来ました。
戸袋の位置に仮に取り付けて確認しました。
とてもよい出来栄えです。
左官屋さんが戸袋の中の壁を塗らないと取り付けられないため、外しておきますが。
木製サッシの脇の壁に取り付けられます。
木製サッシと同じ色で塗装されますが、塗装屋さんが塗ってから最終的に大工さんが付けます。
木材、大工、左官、建具、板金、塗装などの職人が、それぞれのパートをこなしながら、順番を守りながらバトンタッチする「リレー方式の木の家づくり」ならではの造作です。
格子雨戸が吊り込まれて、塗装されると完成です。
それまで仕舞っておきます